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フロンティア数理物質科学 I,II,III

数学は自然科学系の共通言語です。観測された現象を数式化して表現することができれば、異分野の研究者に対しても簡潔かつ曖昧さをもたない説明が可能となります。また、数学はある特定の現象をモデルとする考察を起点としてもその抽象性・普遍性により、得られた結果を適用できる範囲がその現象の研究にとどまらず、類似した数理モデルをもつ異分野の研究と結びつくことで新たな価値を生み出しうるものです。そこで、数理連携のために必要な数学の基礎知識を習得し、抽象的な思考力および俯瞰力を身につけることを目的として「フロンティア数理物質科学I,II,III」を開講します。I,II,IIIは各1単位の必修科目であり、開講時期はそれぞれI(M1後期)、II(M2前期)、III(M2後期)とします。制度上は大学院博士後期課程修了までにいつ履修しても構いませんが、上記の時期で履修することを強く推奨します。

IとIIは講義と演習形式です。講義内容はまず数学分野における基本的な用語や記号について解説します。次に数理連携の具体例として、実験による経験則に基づいている分野に対して、数理モデルを構築し現象のメカニズムを予測・計算し効率を上げることで必要な時間や費用が削減できた企業の取り組み例などを紹介します。本科目の目的は、複雑な計算を実行して高度な公式を用いることができるようになることではなく、数学の諸概念や公式の意味を理解し、具体的な事例を通して数学が社会の問題解決にどのように役立てられているかを理解することです。

IIIはセミナー形式です。具体的な内容は、異分野のプログラム生5人程度に数学専攻の教員を加えてグループを構成します。そして、各々が自身の研究内容について発表し、他のプログラム生や数学教員との質疑応答を行います。議論を通して異分野の研究者の発想に触れることで俯瞰力を養成し、さらに自身の研究内容に対する専門力の強化を目指します。

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