戸口 侑さん(プログラムパイロット生)と峯 健太さん(プログラム2期生)が、平成28年9月2日から15日までの2週間、国際ペプチド学会(8th International Peptide Symposium) と 34th European Peptide Symposium への参加と合わせて、ハレ大学(Martin Luther University of Halle-Wittenberg)とライプツィヒ大学(Leipzig University)にある2つの研究室を訪問しました。本レポートでは、海外ネットワーク形成支援を利用した2名のプログラム生の取り組みを紹介します。
●国際的なネットワークを形成できた2週間●
報告:リーディングプログラムパイロット生 戸口 侑
写真:国際ペプチド学会でポスター発表する様子
滞在期間中にライプツィヒ大学で開催された国際ペプチド学会は、ペプチド科学に関連する全ての研究の最新のアプローチや知見に関して発表を行う学会で、今年は40ヵ国から700名以上が参加した非常に大きな学会です。私は本学会で、疾患に深く関係する癌抑制タンパク質 p53の変異体を用いた四量体形成についてポスター発表を行い、ペプチド科学の分野の方に興味深く聞いていただきました。発表分野は、ペプチドの合成法の開発からペプチドを用いた治療法やドラッグデザインまであり、日本で参加したことのある日本ペプチド学会(日本ペプチド討論会)よりも非常に幅広く、ペプチド科学の有用性とその重要性を改めて感じる学会となりました。
写真上:ライプツィヒ大学でのディスカッションの様子
写真下:ハレ大学のセミナーで発表する様子
研究室訪問では、ライプツィヒ大学の Prof. Annette の生化学・生物有機化学研究室と、ハレ大学のProf. Cordeliaのラボを訪問しました。ハレ大学では、研究室訪問だけでなくセミナーも開いていただき、国際ペプチド学会で発表した内容とは別に癌抑制タンパク質 p53の飢餓ストレスに対する効果という内容で研究発表を行い、活発にディスカッションしました。
海外ネットワーク形成支援を利用して、国際学会での発表だけでなく、海外の大学の訪問や発表、そしてディスカッションも行うことができました。研究室訪問は、近い距離で海外の先生方や研究者と接することのできる貴重な機会であると思います。今回得られたネットワークを今後の自身の研究にも活かしていきたいと強く感じました。
●将来の研究に向けた指針を得ることができた研究室訪問●
報告:リーディングプログラム2期生 峯 健太
平成28年9月2日から15日までの2週間、8th International Peptide Symposium と 34th European Peptide Symposium への参加とあわせて、ハレ大学(Martin Luther University of Halle-Wittenberg)とライプツィヒ大学(Leipzig University)にある研究室を訪問し、研究室見学と研究者間交流を行いました。
写真上:研究室見学の様子
写真下:ハレ大学でのセミナーの様子(発表者は峯さん)
ハレ大学では、タンパク質の立体構造とそれに基づく機能に大きく関与するプロリン異性化酵素の研究で成果をあげられた Prof. Cordelia が所属している研究所を訪問しました。この訪問では、同大学に所属する十数名の研究者の前でセミナー形式の口頭発表とディスカッションを行いました。発表では、生体分子であるペプチドで金属ナノ構造体形成を制御する研究に関する内容を報告したところ、バイオ分野とナノ材料分野を融合した非常に興味深い研究であるという高い評価を頂くことができました。
写真上:ライプツィヒ大学の前にて
写真下:右からProf. Annette 、戸口さん、峯さん
ライプツィヒ大学では、今年度の国際ペプチド学会の主催者を務められた Prof. Annette の研究室を訪れました。この訪問では、自身の研究内容について紹介したほか、科学研究や科学教育の情勢、研究室運営や研究室の雰囲気、研究方針の設計等についてディスカッションを行い、日本とドイツの研究者間の共通点や違いなどを知ることができました。
今回、歴史ある化学の国ドイツの大学に所属する研究者に対して自身の研究成果を発表する機会とディスカッションを通じて、この先の研究生活に大きく関わるような国際的な交流を図ることができました。自身の関連分野について最先端の知見を得ることに加え、世界的なペプチド研究の動向と将来の研究に向けた指針を得ることもできる貴重な機会となりました。
報告:リーディングプログラムパイロット生 戸口 侑
リーディングプログラム2期生 峯 健太
構成:リーディングプログラム事務局工学分室