2018
03.20

LEADER’S VOICE 07
初年度に挑んだパイロット生 倉 千晴さん
~受講を後悔したことは 一度もありません~

海外渡航支援インタビュー海外サマーキャンプアウトリーチ活動Voice

LEADER’S VOICE 07<br />初年度に挑んだパイロット生 倉 千晴さん<br />~受講を後悔したことは 一度もありません~

北海道大学 大学院総合化学院 総合化学専攻 界面電子化学研究室 博士後期課程3年

倉 千晴 さん(北海道出身)

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専門研究
ヒドリド(-1価の水素イオン;H)と電子の伝導により室温で作動する水素透過膜の創製

●応募の動機
企業連携やアウトリーチ演習で 見えてくる私の将来像

当初の研究内容は半導体の創製でしたが、大学院の途中からヒドリド-電子混合伝導体の創製に取り組み始め、さらに究めたいという思いから博士後期課程に進むことにしました。その私の決意を知った先生から勧めていただいたのが、リーディングプログラムです。
当時は、将来の就職を企業にするかアカデミックにするか決めかねていたので、企業と連携したカリキュラムの受講が進路を決める参考になるのでは、という期待もありました。また、博士後期課程は研究室にこもって実験と分析の繰り返しというイメージもあり、アウトリーチや海外サマーキャンプなど幅広い交流の場を設けてくれているところも、応募の決め手になりました。

日本最大級の科学コミュニケーションイベント「サイエンスアゴラ」にも参加した。

●海外渡航支援
最先端研究を後押しする支援で 『Nature Energy』に掲載!

ヒドリド研究は、国内外でもまだ先行研究が少ない非常にチャレンジングなテーマであり、ヒドリドの存在自体を厳密に証明するために他大学の実験施設を使わせていただくことや海外の研究者に実証実験を依頼することが多々ありました。そのどれをも実現できたのは、海外渡航支援や短期国内研修支援などのきめ細やかな経済支援があったからこそ。
4度の国際学会出席や国内外のネットワークを広げることができたのも、指導してくださった先生方や外に開かれた本プログラムのおかげです。そうしたすべての学びが形になり、2017年9月にはシュプリンガー・ネイチャーが出版する『Nature Energy』に論文がアクセプトされました。

サークルは茶道部に所属。茶道をたしなむ母親の着物をまとってお茶会へ。

●パイロット生
優先順位を見極めて マルチタスクを両立

博士後期課程の後半は、プログラムの履修と就職活動、追加実験、論文執筆が重なり、怒濤の日々を過ごしました。東京に面接に行き、札幌に帰ったらすぐに追加実験の条件出しや実験を依頼する技官さんと交渉し…締切が近いものから優先順位を決め、気持ちを切り替えて取りかかったので、就活の“お祈りメール”に落ち込むヒマもありませんでした。
こうした“両立”が出来るようになったのは、パイロット生として入り、さまざまなイベントが集中した初年度を体験していたからかな、と感じます。その忙しさをさらに加速させたような最終年度を無事に乗り越えられたことは、自分の中で確かな自信になりました。

●目標とする将来像
活躍する先輩の姿に不安を払拭 異分野の同期に「ありがとう」

企業インターンでは、博士号を持つ“お母さん”研究員の方が活躍している姿を見せていただき、同じ女性研究者として大変参考になりました。1人の研究者が複数の研究グループを掛け持つところも新鮮で、それまで抱いていた企業で働くことへの不安が払拭されました。今後は入社が決まった企業の一員となり、海外勤務や産学連携にも挑戦してみたいです。
このプログラムで博士後期課程の同期、しかも異分野の仲間がいてくれたことは本当に心強く、受講して何かを後悔したことは一度もありませんでした。私にリーディングのことを聞いてきた研究室の後輩たちも、今はのびのびと自分たちがやりたいことを満喫しているようです。

※所属・学年等は2018年3月現在のものです。

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