2016
06.13

スイス・ドイツの三大学で海外サマーキャンプを実施しました

スイス・ドイツの三大学で海外サマーキャンプを実施しました

平成28年3月4日から8日の5日間、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ホスト:Jeffrey Bode教授)、ドイツ・ポツダム大学(ホスト:Dirk Schanzenbach博士)、ベルリン工科大学(ホスト:Martin Oestreich教授)において、平成27年度では3回目となる「海外サマーキャンプ」を実施しました。今回の海外サマーキャンプは、3大学を5日間で訪問し、それぞれの大学で全員が口頭発表とポスターディスカッションを行うという野心的な取組みでした。事前の準備として、出発1週間前には参加者全員で研究発表ポスターを持ち寄り練習会を行いました。あらかじめ英文原稿を作って暗記した15分間の内容を一人ずつ発表し、それぞれの発表に英語で質問をする形で討論のシミュレーションを事前に行って渡航に臨みました。

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写真:研究発表会が行われたスイス連邦工科大学チューリッヒ校の教室の様子

十数時間のフライトののち、最初の訪問先であるスイス連邦工科大学チューリッヒ校へ向かいました。ここは、ノーベル賞受賞者を21人も輩出しているヨーロッパでも屈指の名門校で、メンバーも緊張気味でしたが、参加させてもらった合同の研究発表会ではメンバーの多くが積極的に発言し、しっかりとした討論ができました。

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写真:ポツダム大学本キャンパス

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写真:ポツダム大学でのポスターディスカッションのひとコマ

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写真:ポツダム大学でのポスター発表の様子

次に向かったのはドイツのポツダム大学です。旧東ドイツのポツダム市にあるこの大学は、東ドイツ時代からある宮殿のような本キャンパスと、最新の設備を備えた新キャンパスからできています。新キャンパスの研究室をくまなく見学させていただいたのち、リラックスしたムードでショートオーラルとポスターディスカッションを実施しました。

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写真:ベルリン工科大学でのセミナー後の記念撮影

最後にドイツの首都にあるベルリン工科大学を訪問しました。ベルリン工科大学は、ハーバー・ボッシュ法の開発者であるカール・ハーバーを始めとした多くの科学者を輩出しています。ここでも、合同セミナーの形で口頭発表とポスター発表を行いました。多くの参加学生の研究分野がホスト先の研究分野と近いこともあって、「ガチ」感がありハラハラする場面もありましたが、アウェイでしかも英語でのコミュニケーションにもかかわらず、我がプログラム生たちは、現地の学生に負けない中身のあるしっかりした討論を行っていました。

5日間で三大学を訪問するというタイトなスケジュールでしたが、全体として密度の高い、大変有意義なキャンプになったと感じています。今回の参加学生の大多数にとっては、本格的な外国体験はこれが初めてで、密度の高さもあいまって「海外サマーキャンプ」というよりは「ブートキャンプ」に近いイベントだったかもしれません。今回私は同行者として、プログラム生たちが普段培っている「圧倒的専門力」をたよりに、事前のトレーニングと現地での経験を通して「国際的実践力」を身に着けていくさまを目の当たりにしたように思います。
さらに、分野外の方に研究を理解してもらう努力は「サイエンスコミュニケーション」教育の一環にもなったことでしょう。海外サマーキャンプ期間中、ホストの先生方、学生さんと一緒に食事をする機会がたくさんありました。日本人にとっては、外国の方々とテーブルを囲んで楽しく過ごすこと(いわゆる横メシ)はハードルが高いといわれていますが、この「グローバル飲みニケーション」さえもプログラム生は体当たりでこなしていました。彼らの高いポテンシャルに感嘆せざるをえません。本キャンプを終えたプログラム生は「外国が怖くなくなった」といいます。この経験を活かしてさらに力を伸ばして欲しいと思います。

●Schedule●
Mar 3 | Arrival at Zurich
Mar 4 | Visiting ETHZ (host: Prof. Jeffery Bode), Short Oral & Poster Presentation
Mar 5 | Transfer from Zurich to Berlin 
Mar 6 | Visiting Potsdam University (host: Dr. Dirk Schanzenbach), Discussion & Excursion
Mar 7 | Visiting Potsdam University (host: Dr. Dirk Schanzenbach), Short Oral & Poster Presentation
Mar 8 | Visiting TU Berlin (host: Prof. Martin Oestreich) Short Oral & Poster Presentation
Mar 9 | Departure from Berlin

報告:伊藤肇(リーディングプログラム担当教員・工学研究院教授)

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