2018
04.26

タイ国立遺伝子生命工学研究センターで海外サマーキャンプを行いました!

タイ国立遺伝子生命工学研究センターで海外サマーキャンプを行いました!

リーディングプログラム(ALP)では,平成30年3月28日から30日にかけて,タイ国立科学技術開発庁傘下の研究所である国立遺伝子生命工学研究センター(BIOTEC)で海外サマーキャンプを開催しました。海外サマーキャンプとは,ALPの必修イベントの一つであり,プログラム生が海外の大学や研究機関などと共同でシンポジウム等の学術集会や交流イベントを企画・運営するものです。通算7回目の開催となった今回の海外サマーキャンプには,プログラム生8名,プログラム教員1名,産業技術総合研究所から1名の総勢10名が参加しました。

 

韓国のインチョン経由で28日の午後にバンコクに到着し,29日の朝早くからメインイベントである合同シンポジウムが始まりました。このシンポジウムでは,北大,産総研,BIOTEC,マヒドン大学の教員・研究者による講演に加え,午後からは両国から参加した学生および若手研究者によるショートプレゼンテーションとポスター発表が行われました。会場では熱のこもった討論が行われ,冷房完備にもかかわらず暑く感じるほどでした。マヒドン大学から参加したある学生は「日本の学生の本気さが伝わってきた」と話していました。

 

写真:口頭発表の様子(左:報告者、右、Chanwit Tribuddharatマヒドン大学教授)

 

 
    

写真:ポスターセッションでポスター賞を受賞したプログラム生(福島さん、南さん)。 Eurwilaichitr副所長より賞状と副賞が授与されました。

 

ポスター発表終了後は、応用微生物学が専門であり、今回BIOTEC側でホストを務めていただいたLily Eurwilaichitr副所長が運営するThailand Bio-Resource Center (TBRC)の見学を行いました。TBRCでは、熱帯の地の利を生かして多様な微生物資源の収集を行っており、そのコレクション数は世界第6位であるとの説明を受けました。これらの微生物株は世界中から提供依頼が殺到しているということです。

 

写真:TBRCで保管している様々な微生物。

 

最終日の30日には、ASAH-ASTというバイオテクノロジー企業の見学を行いました。同社は、BIOTECとライセンス契約を締結することにより、TBRCが保有する微生物を用いた酵素製品の生産を行っています。稲わらなどの農業残渣を原料として、酵素が製品として出荷されるまでの生産ラインを見学させていただきました。同日午後には空港に戻り、往路と逆経路で初春の札幌に帰りました。

 

写真:バイオテクノロジー企業の中庭での記念撮影

 

参加したプログラム生の多くは、プログラムの語学研修や海外渡航支援制度などを利用して、海外での経験をすでに積んでいました。このため、コミュニケーションの問題はほとんど起こらず、現地の学生や研究者と交流をすることができました。今回のサマーキャンプは過密なスケジュールで体力的には大変でしたが、本プログラムの存在感を国際的に示すことができたという点で非常に有意義であったと思われます。最後に、BIOTEC副所長のLily Eurwilaichitr博士、産業技術総合研究所の宮崎健太郎博士、マヒドン大学シリラート病院医学部のChanwit Tribuddharat博士をはじめ、多くの方々から本イベントに対するご協力をいただいたことに感謝いたします。

報告:北原圭(リーディングプログラム特任助教)

 

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