2016
06.27

(日本語) 東北大リーディングプログラムとの合同シンポジウムを開催しました

(日本語) 東北大リーディングプログラムとの合同シンポジウムを開催しました

北海道大学「物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム(以下ALP)」は、東北大学のリーディングプログラム「マルチディメンジョン物質理工学リーダー養成プログラム(以下MD)」と共催で第2回合同シンポジウムを開催しました。今回のシンポジウムのテーマは「物質・材料科学を拓く異分野融合」。北大工学部のフロンティア応用科学研究棟をメイン会場として、平成28年3月17日〜18日の2日間にわたって行われました。

本プログラムと東北大MDは、いずれも平成25年度に博士課程教育リーディングプログラムの複合領域型(物質)に採択されたプログラム です。両プログラムには、分野横断的に物質・材料科学を学び、博士号取得後には社会で広く活躍する人材を育成することを目的としているという共通点があります。

第1 回合同シンポジウムは、平成27年3月に東北大で開催されました。この時の目的は、2つのプログラムが互いの活動成果を共有し、協力関係を構築することにありました。今回行われた第2回合同シンポジウムは、第1回で構築された協力関係を継続し、今後の両プログラムの活動をさらに発展させることを目的としました。

写真:(左)メイン会場となった北大工学部のフロンティア応用科学研究棟
   (右)司会進行を務めた山本靖典特任准教授

 

17日の開会の際には、本プログラムの石森浩一郎コーディネーターと東北大MDの長坂徹也コーディネーターが、それぞれのプログラムの内容紹介と、平成27年度の活動の概要報告を行いました。

 

写真:(左)東北大MDプログラムの紹介を行う長坂徹也コーディネーター(東北大MD)
   (右)冒頭のあいさつを行う石森浩一郎コーディネーター(北大ALP)

 

続いて、北大電子科学研究所の中垣俊之教授が「物質科学から生命知の基本アルゴリズムに向かって」と題した基調講演を行いました。中垣先生は、生命システムから数理科学、都市工学まで、幅広い視点から学際的な研究を進めており、粘菌を用いた独創的な研究でイグ・ノーベル賞を2度受賞した経歴をお持ちです。講演では、粘菌が迷路を解いたり、鉄道網に相当するようなネットワークを構築したりすることができるという画期的な研究結果について発表をされました。粘菌の持つ自律分散的な情報処理システムについて研究することは、例えばカーナビの経路探索アルゴリズムを開発することにつながるということです。

DSC00958 
写真:粘菌のもつ「知性」に関する講演を行う中垣俊之北大電子研教授。

 

学生による活動報告会では、北大ALPと東北大MDからそれぞれ3名の学生が、平成27年度の活動内容を報告しました。北大ALPからは、峯健太さん(2期生)が企業インターンシップと異分野ラボビジットについて、榊祥太さん(1期生)がQualifying Examination (QE)と数理連携について、小島遼人さん(プログラムパイロット生)が海外インターンシップについて報告しました。

IMG_1207  IMG_1224

IMG_1237  IMG_1257

IMG_1273  IMG_1305

写真:学生による活動報告会の様子。左上から宮本尚也さん(東北大MD)、白井翔太さん(東北大MD)、早水良明さん(東北大MD)、峯健太さん(北大ALP)、榊祥太さん(北大ALP)、小島遼人さん(北大ALP)

 

17日と18日に計4時間半にわたって行われた学生企画のワークショップでは、「新しい活動・企画の展開に関するディスカッション」と題し、今後、北大ALPと東北大MDの学生が協力して新たな活動を行うための議論が行われました。
 IMG_1331 
IMG_1478

IMG_1514

写真:学生企画のワークショップの様子。グループに分かれてディスカッションとプレゼンテーションを行いました。Group Cの両プログラムの合同ウェブサイトを構築するという企画案(下の写真)が最多得票でした。

 

18日の午前は、千葉市科学館の針谷亜希子さんをお招きし特別講演を行いました。「科学技術コミュニケーションの連携プラットフォーム」と題した講演では、千葉市科学館を含めた地域の科学館の活動内容の紹介や、研究者がアウトリーチ活動を行う際に地域の科学フェスタ等の場を上手に利用するコツなどについてのお話がありました。北大ALPではアウトリーチ演習が必修科目となっており、学生が「ALP一般公開キャラバン」を企画・実施します。その際に、今回の針谷さんの講演は大いに参考になりそうです。
 IMG_1427

写真:千葉市科学館の針谷亜希子さんによる特別講演会の様子。

 

今回の合同シンポジウムでは、懇親会や両プログラムの教員による意見交換会なども行なわれ、盛りだくさんで充実した内容となりました。シンポジウムの最後には、両プログラムのコーディネーターからの挨拶があり、今後も継続して合同シンポジウムを行っていくことが確認されました。来年は東北大学で3回目となる合同シンポジウムが開催されます。その場で、学生企画のウェブサイトの「成果」も発表されるかもしれません。

写真:北大ALPの石森浩一郎コーディネーター(右)と東北大MDの長坂徹也コーディネーター(左)による閉会の挨拶。

 

ALP-MD合同シンポチラシ1

写真:学内に掲示されたポスター
==

報告:北原圭(リーディングプログラム特任助教)

PAGE TOP