2015
06.01

課題設定力・課題解決力を養う「キャリアマネジメント特別セミナー」開講

企業コンソーシアムキャリアマネジメント特別セミナーPBL

課題設定力・課題解決力を養う「キャリアマネジメント特別セミナー」開講

「キャリアマネジメント特別セミナー」は、本プログラムがめざす実践的問題解決能力を体得したAmbitiousなリーダーとなるための素養を身につけるための実践的な講座です。博士後期課程1年次後期に開講する「企業コンソーシアム」に先立って開講され、課題設定力や異分野知識を総合して課題を解決する力を涵養することが目的です。「物質科学」の圧倒的な専門力を有することが前提ですが、将来の産業界のリーダーとして期待されているプログラム生には「企業で働くということはどういうことか」「リーダーとして身に着けておくべき知識・考察力は何か」を具体的に知っておくことが求められます。授業では、5人1ユニットとなって、前半は事例を題材に議論します。授業の後半では、予め定めた分野に関する図書を読み、グループディスカッションを通じて知識を広く深く理解し共有化を図ります。1回の授業は120分で、企業コンソーシアムに接続するよう半年間、月に1回のペースで開講しています。

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写真:講師を務める七澤客員教授(右)

■授業概要
技術開発というと「新薬・新材料を発明し、生産設備を設計・建設し、市場に展開する」といった画一的な仕事をイメージしがちですが、現実は違います。授業では、製造業の現在進行形の技術開発事例を取り上げながら入社直後から10~15年目の技術者の仕事を紹介し、企業研究者がどのようなテーマに取り組み、どのように解決していったか、研究の現場を追体験します。この作業を通じて学術研究と実学研究の類似点・相違点を学びます。並行して、自ら研究テーマを立ち上げる年代になると重要になる「社会を俯瞰的にみる力」の獲得、いわゆる「専門バカ」に陥らないための訓練を行います。課題図書を読み、グループ内で議論しながら知識や考え方を磨き、将来のリーダーとして研究課題を設定する時に求められる知識や資質、社会を見る目を涵養します。

キャリアマネジメント特別セミナーの後に開講される企業コンソーシアムでは、企業人が参加して学生に対しマンツーマンの指導とグループワークへのアドバイスをします。こうしたワークを通じて、自ら課題を見つけ、それに対する答えを自ら導き出す課題解決型の能力を習得します。また、将来産業人となったときの戸惑いを軽減するようなメンタリティの獲得も目指します。

■授業の背景・ねらいと期待される効果
学生が実際に企業に出向き現場の研究・労働を体験する「インターンシップ」は、すでに就職活動の一環として一般化しています。しかしながら、単に企業で作業をするだけでは学生が得られる成果は少なく、受け入れ企業側の現場にも負担感が残ります。これはインターンシップが就職・採用活動の一部であるという側面が強調されすぎた結果で、教育あるいは企業の業務として位置づけられていなかったためでもあります。これを教育として、成果を高める場として活用するためには、事前準備が重要となります。企業研究の具体的イメージを持ち、帰任後十分にフォローアップすることでより教育効果が高まります。キャリアマネジメント特別セミナーでは、企業経験者のアドバイスを受けつつ、赴任前準備、帰任後のフォローアップを行います。ここで得られた経験は、後のカリキュラム「企業コンソーシアム」に生かせると同時に、就職活動を円滑に進める上でも役立つ経験となるはずです。学生・企業双方にとって、メリットが期待できる授業です。

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写真:2015年1月に開講された実践型PBL特論の授業の様子
※「実践型PBL特論」は、2015年4月より「キャリアマネジメント特別セミナー」に変更されました

報告:七澤 淳(産学連携プログラム担当 客員教授)

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