物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム(ALP)は、2015年3月10日から11日にかけて東北大学のマルチディメンジョン物質理工学リーダー養成プログラム(MDプログラム)と合同でシンポジウムを東北大学で開催しました。合同シンポジウムにはALP生16名、教員11名が参加し、互いのプログラムの概要や活動報告、研究発表などを行い、盛んに議論を交わしました。
オープンシンポジウムでは、プログラムの紹介や研究発表を通して互いのプログラムについて理解を深めるとともに、研究発表について様々な分野の方々と議論しました。ALPではパイロット生が「光触媒活性支配因子としての電子トラップ密度の解析」というタイトルで研究発表を行い、白熱した議論が交わされました。
基調講演では、東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の機構長である小谷元子先生より、材料科学研究における数理連携についてのお話がありました。講演では、AIMRにおける数理連携について様々な実例が紹介され、自分の研究を数理連携につなげるヒントを得ることができました。数理連携研究にあたって、物質科学の研究者が数学者に自分の研究内容を伝えるためには、「抽象的に話すこと」が大切であるという点が特に印象的でした。
夕方からは仙台近郊の遠刈田温泉へ移動し、ALP、MD双方のメンバーによる活動報告発表会が行われました。ALPからは異分野ラボビジットやフロンティア数理物質科学についての活動報告、MDからは企業や海外での長期インターンシップについての活動報告が行われました。会場は終始和気あいあいとした雰囲気に包まれ、活動報告終了後も夜遅くまで歓談が続きました。
翌朝は東北大学に戻り、材料科学と数学が研究所レベルでコラボレーションした研究拠点であるAIMRの施設を見学しました。施設内には、太陽の光をふんだんに取り入れた開放的なアトリウムと様々な分野の研究者が一堂に会することができる広々とした交流スペースがありました。また、実際に数理連携研究に携わる研究者のミニレクチャーを聴講し、AIMRにおける数理連携研究について理解を深めることができました。
今回の活動では、同じ物質科学領域のMDプログラムとの交流を通して、東北大学の最先端の数理連携の一端を垣間見ることができました。さらに、様々な分野の方々との交流を通して多様な考え方・物の見方に触れることができました。今後もALP以外の様々な方々との積極的な交流を通して、俯瞰的な視点を養っていきたいと考えています。
執筆:S. K. (リーディングプログラム1期生)