リーディングプログラムでは、科学者や技術者には社会と対話し研究の意義と魅力を伝える能力が必須であるとの考えにもとづき、科学技術コミュニケーションの科目群を設け、博士課程1年次に「アウトリーチ演習」を開講しています。アウトリーチ演習では、計画・準備・手続・執行・広報・実践・振り返り・報告、という全てのプロセスを複数のプログラム生による教育研究ユニットで活動することを通して、自らの研究への理解を深め、異分野の研究を幅広く理解し、組織的活動のリーダーとしての素養を養成することを目指します。平成28年度は、プログラム1期生20名が履修しました。ここでは、平成28年8月に研究アウトリーチ活動を実践したプログラム1期生のレポートを紹介します。
●科学の楽しさを伝えることができたアウトリーチ演習@静岡科学館●
報告:リーディングプログラム1期生 鈴木 拓郎
平成28年8月21日、静岡科学館る・く・る(静岡市)において開催された「夏のサイエンス屋台村」で、科学技術コミュニケーション科目アウトリーチ演習の一環として「☆ヒカリノフシギ☆」というブースを出展しました。7名のユニットメンバーが2チームに分かれ、最先端発光材料を用いた「透明インクでお絵かき」と、セロハンテープを用いた「セロハンテープでステンドグラス」という2つのブースで一般の方々、特に子どもたちを対象に実演しました。
写真上:「透明インクでお絵かき」のブースで透明インクを使って絵を描く来場者
写真下:UVライトを設置した大暗室で描いた絵を眺める様子
延べ1744人が来場し、2時間30分と短い時間のなかで私たちのブースにも198人が訪れました。開始してすぐにブースが満員となり途切れることなく来場しましたが、各々が事前に決めた役割分担に沿って動くことができトラブルもなく無事に終えることができました。体験された来場者の方々からは驚きの声が絶えず聞こえ、“科学の楽しさを伝える”という点で十分成功したと確信しており、本プログラムを知っていただく良い機会にもなったと思います。
写真上:体験後に参加者に感想を聞くプログラム生(左)。集計結果の一部(右)。
写真下:光や色の仕組みや原理を説明するプログラム生
出展後には、同じイベントに出展していた静岡科学館の科学コミュニケーター育成講座の受講生もしくは修了したボランティアの方々との交流の機会があり、科学技術コミュニケーションの重要性や思いをうかがうことができ、非常に貴重な機会となりました。
報告:リーディングプログラム1期生 鈴木 拓郎
構成:リーディングプログラム事務局工学分室