本プログラムでは平成26年7月3日(木)に特別講演会を開催しました。この取り組みの主眼の一つである数理連携教育について、数学が専門の山口佳三総長みずからが主導して推進すると決意表明し、東北大原子分子材料科学高等研究機構の西浦廉政教授が数理連携研究の先行事例を紹介しました。
山口総長はまず幾何学の歴史からスタート。非ユークリッド幾何学で直感的に理解できない世界へ進み、解析幾何学からガウスの曲面論への進歩で計算モデル化が進んだと説明しました。これらの事例から、物質科学を俯瞰しフロンティア開拓につながる数理連携教育を主導する決意を表明しました。続く西浦教授は多分野による対話の重要性について講演。18世紀の英バーミンガムで化学工業の創始の引き金のひとつとなった月例懇親会「ルナー・ソサエティ」や、近年の東北大での数理連携研究の成果などを幅広く紹介しました。
イベントの最後には本プログラムのコーディネーターである理学研究院副研究院長の石森浩一郎教授も加わり、数学連携研究センター長の津田一郎教授の司会で総合討論を実施。数学者に限らない他の分野の研究者との交流の重要性のほか、数学者が多くの分野の研究者から最新動向を聞く意義も議論されました。
来年度には研究発表倫理と科学技術広報にフォーカスした特別講演会の開催を検討しており、本プログラムに参加する院生のみならず広く社会に向けての情報発信を進めていく予定です。
(F)