北海道大学 物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム3期生(平成28年度)に採用されている愉彦樺さん。現在博士後期課程2年に在籍し就職活動を行っている愉彦樺さんの4つのアピールポイントを紹介します。
1.様々な国際会議で研究発表。企画実施も経験しました。
遺伝子そのものであるDNAは何重にも折りたたまれて細胞核の中に収納されています。この折りたたみの基本になるのがヒストン蛋白質とDNAから作られる「クロマチン」構造です。核内には様々なクロマチン構造が存在しており、その中でも非常に密に詰まった「ヘテロクロマチン」と呼ばれるクロマチン構造は、細胞の分化・老化・がん化に関わっています。私はこのヘテロクロマチンが、どうやって必要な場所と時間に形成されるのか、について研究しています。
リーディングプログラムの海外渡航支援を利用して、北京、南京、台湾、モントリオール、バンコクなどで開催された国際会議で研究発表を行いました。特に、北京大学で開催した国際会議は、私が中心となって企画実施したものであり非常に貴重な経験となりました。場数を重ねることで、英語で研究発表することへの抵抗もなくなりました。また、本プログラム主催の国際シンポジウムでは、通常の研究発表に加えてワークショップが開催されます。外国の研究者とディスカッションする機会にも恵まれ、臆せずにコミュニケーションを取っていく自信がつきました。
2.様々な分野の人に自身の研究の意義や目的をわかりやすく伝えるトレーニングとして、多くのアウトリーチ活動に参加!
自身の研究の意義や目的を、様々な分野の人にわかりやすく伝えることは研究者にとって必要な能力の一つだと考えています。そのトレーニングの一環として、多くのアウトリーチ活動に参加してきました。小中学生を対象に科学の面白さを分かりやすく伝え、興味関心を持ってもらうことを目的として、毎年5000人以上が参加する沖縄科学技術大学院OISTのサイエンスフェスタに参加しました。紙デバイスを用いたpH測定に関する実験教室を出展しました。企画段階から学生5人で行い、参加者からは非常に好評を得ることができ、成果報告としてJournal of japan science communication誌に投稿しました。
写真:出展した紙デバイスの写真
3.異分野の研究も積極的に学んでいます。
領域横断型の研究を推進する俯瞰力を養うことを目的として、北大総合化学院の先端材料化学研究室(長谷川靖哉 教授) に1ヶ月間移籍し、自分の専門とは異なる、希土類錯体の合成や物性測定について学びました。このほかにも、リーディングプログラムには物質科学に関わるさまざまな分野の学生が所属しているため、専門分野が異なる研究者と交流する機会が非常に多くあり、私は積極的にこのような機会に参加して、研究に対する柔軟な思考力と広い視野を養いました。学部修士課程のときには、北大総合化学院の生物化学研究室(坂口和靖 教授)にて癌について研究を行い、分子生物学における様々な実験手法や資料作成のノウハウ、プレゼン技法を学びました。また、イルミナ, ナノポアシークエンサーを用いて微生物のゲノム決定を行うなどドライな解析も行っています。
現在は、自身の研究における課題を解決するため、北大総合化学院の生物計測化学研究室(渡慶次学 教授)にてマイクロ流路の作製について学んでいます。
図左上:希土類錯体の合成, 右上:学部修士課程で行っていた癌に関する研究,
図左下:イルミナ,ナノポアシークエンサーを用いた微生物ゲノム決定, 右下:作製したマイクロ流路
4.趣味は写真撮影。旅行先の風景を切り取ります。
私の趣味は写真撮影です。主な撮影対象は風景で、広大で美しい北海道の自然を切り取っています。特に私は、誰も見たことない景色や写真でしか表現できない世界を写すことを意識しています。これを通して、独創的な視点を養うことができるようになったと感じています。旅行が好きで、現地での交流を通して、人と自然にコミュニケーションする力を身につけることができました。
写真:旅行中に撮った写真
※所属・学年等は2019年11月現在のものです。