異分野ラボビジットでは、新しい専門知識や技術を習得し幅広い知識と考え方を身につけるために、プログラム生が異なる分野の研究室での研究を実施します。私は実際に自分の手を動かして実験を行うことで「ものづくり」におけるその考え方や知識を学びたいと考え、固体反応化学研究室でラボビジットを行いました。

有機ELデバイスは有機化合物からなる発光層で、電極から注入された正孔と電子が再結合し発光するデバイスであり、最近ではディスプレイや照明として利用されはじめています。レーザー描画フォトリソグラフィと反応性イオンエッチングを用いて透明電極を設計通りにパターン化し、正孔輸送層、発光層、金属陰極を真空蒸着させることで発光素子を作製しました。最終段階では、双眼実体顕微鏡をのぞきながら素子へ配線とパッケージングを行いました。素子は空気中の水分で徐々に劣化していくので、配線作業は時間との戦いでした。試行錯誤に思いのほか時間がかかりましたが、最終的にはリーディングプログラムのロゴマークの形をした素子を発光させることができました。

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執筆：M. T. （リーディングプログラム１期生）