2014
03.23

世界を見渡せば、博士号取得が必要条件に

インタビュー

世界を見渡せば、博士号取得が必要条件に

北海道大学 大学院総合化学院 工学研究科 高分子機能化学研究室 博士後期課程3年

牧口 孝祐 さん

総合化学メーカー内定

●博士課程進学の動機

海外の研究者と対等に 渡り合える実力を

学部時代、研究室に配属される前から博士課程に進学することの魅力や必要性は先生たちから伝えられてきました。欧米では博士課程修了後に企業就職が一般的だそうです。自分もいずれは企業に就職するとしても、海外の研究者と対等に渡り合わなければならない場面は必ずくるはず、と思い、博士号の取得を目指しました。 専門はポリマーの合成方法の追求ですが、学部、修士課程は知識や実験手順などの基礎を身につけることが中心で、応用展開までは困難でした。学部や修士課程を鍛練の期間とするならば、本当に自分のやりたい研究を一から立ち上げて完遂するプロセスは博士課程で初めて体験できたと思います。

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2012年に北海道大学で開催された錯体工学研究会(SPACC)国際シンポジウムでのポスター発表。

●大学院での研究テーマ

合成したポリマーの同定に 北大の共用機器が活躍

私が所属する研究室では光学材料であるポリアクリル酸や人工繊維であるポリエステルをいかに精密かつ環境低負荷に合成するかという研究を主に行っています。私のテーマは「ポリエステルの精密合成」でした。触媒を駆使して線状のポリマーを精密に合成することを基礎に、応用展開として大環状ポリマーの合成や立体化学が制御されたポリマー合成も行いました。合成したポリマーを同定するために必要な分析機器は、北大の創成研究機構にある共用機器を自由に使用できたため、素早くデータを集めることができました。

●就職活動を振り返って

上流から下流までを貫く 「ものづくり」を志望

就活でアピールしたことは博士課程1年次に行ったフランス・ボルドー第一大学での留学経験や、企業インターン経験です。特に留学のほうは博士課程に進学したからこそ機会を得ることができた貴重な体験。以前から興味があった海外の研究室の雰囲気に触れ、おおいに刺激になったことを面接官に伝えました。 原料調達から最終製品となって消費者の手に届くまで一貫した「ものづくり」に携わりたいと考えていたため、総合化学メーカーを志望しました。規模の大きい会社なら海外で活躍する機会も多くなる、と考えたのも志望動機の一つです。

●理想のリーダー像

相手を思い、緩急をつけた 温かい指導をお手本に

私を指導してくださった先生は皆さん、学生のことを考えてくださる方々でした。締めるところは締めながらも緩急をつけて温かい指導を心がけてくださったのだと思います。こうした教えをお手本としながら企業人になっても他人の行動や考え方に気を配っていける人間になりたいです。 私自身は一人で周囲をぐいぐいと引っ張っていくような性分ではなく、どちらかといえば「和」を大切にしたいほう。グループ全員の能力を発揮できるような関係構築を図りながらも「困ったときに頼れる存在」になっていきたいと思います。

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休日は研究室の仲間とサッカーボールを追いかけた牧口さん。他の研究室や留学生との交流も兼ねて年に数回楽しんだ。

※所属・役職等は2014年3月現在のものです。

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