平成28年5月26日・27日、中国・北京大学で合同シンポジウム “Peking University & Hokkaido University Joint Seminar on Organic Chemistry and Chemical Biology” が開催され、プログラム生6名が海外渡航支援を受けて参加しました。今回の活動報告では、プログラム1期生の岡田 拓さんのレポートを紹介します。
●合同シンポジウムを終えて●
報告:リーディングプログラム1期生 岡田 拓
写真:北京大学 Jianbo WANG教授の挨拶の様子
写真:オーラル発表の様子
中国・北京大学で開催された合同シンポジウムでは、全17発表にものぼる両大学教授陣の研究発表をふんだんに聞くことができる点が魅力的でした。学生は、残念ながらオーラル発表の場は与えられませんでしたが、北大の参加学生10名と北京大学化学科の学生あわせて約30名による大規模なポスタープレゼンテーションが行われ、互いの研究成果を発表し討論することができました。
英語でのポスター発表というと緊張感がありますが、この半年間海外発表やシンポジウムへの参加で幾度もポスター発表を経験していたため、特に緊張することなく臨むことができました。また、完全にアウェーでの発表でしたが、全体的にリラックスした雰囲気の中で発表することができ、北京大の学生とも対等にコミュニケーションをとることができたように思います。ただ、早く話されると相手に何度も聞き返さないと話を理解できないことや、こちらの発音が伝わらない(例えば、芳香環の「オルト(ortho)」位という発音が5ー6回言っても伝わらなかった)ことは課題と感じました。10月からの米国留学を控え、聞き取り能力を上げることが必要だと意識する良い機会になりました。
もう一つ、特筆しておきたい点は、今回の出張の案内をしてくれた北京大学の学生のコミュニケーション能力の高さです。中国に到着した時点から最後まで、現地の学生が案内をしてくれ、非常に手厚く歓迎してくれました。案内してくれた学生はまだ大学4年生ということでしたが、学生たちはコミュニケーションに積極的でいろいろな話をしてくれ、細かなことにもよく気が付いていました。彼らの研究発表を聞いたわけではないですが、案内の様子から「できる人とはこういう人のことをいうのだな」と思わせるような説得力がありました。日本の大学4年生はどうかというと、同じようなもてなしができる人は少ないように思います。海外の学生は、自分の将来をより強く明確にイメージしており、その実現のために積極的にコミュニケーションを取っているように見えました。実際、案内をしてくれた学生は海外へ留学するつもりのようでした。幸い私は、これまでのリーディングプログラムでの経験により自分の将来のビジョンが固まりつつありますが、こうした海外学生の積極的な態度に触れ刺激を受けることができたことも、今回のシンポジウムの収穫でした。
報告:岡田 拓(リーディングプログラム1期生)
構成:リーディングプログラム事務局