2015
11.16

プログラム生が国立台湾大学で国際ワークショップを主催しました

海外サマーキャンプ海外渡航支援

プログラム生が国立台湾大学で国際ワークショップを主催しました

本プログラムでは、プログラム生自らが海外の大学・研究機関で、研究発表会ならびに意見交換会等を企画する「海外サマーキャンプ」に取り組んでいます。海外の大学・研究機関で、海外の研究グループと合同イベントを企画・運営する経験を通して、研究活動を俯瞰的にみる観点を芽吹かせ、国際的ネットワークを形成する能力を涵養することを目指しています。プログラム初の海外サマーキャンプ、NTU-HU joint Material Science Workshop(国立台湾大学-北海道大学合同物質科学ワークショップ)の様子を、企画・運営に携わったプログラム生2名がレポートします。

●NTU-HU joint Material Science Workshopを終えて●
報告:リーディングプログラム1期生

パイロット生および1期生が中心となって、2015年10月1日から2日の2日間、国立台湾大学にてNTU-HU joint Material Science Workshop(国立台湾大学-北海道大学合同物質科学ワークショップ)を開催しました。北海道大学からは学生11名(パイロット生:7名、1期生:4名)、教員8名が参加し、国立台湾大学の学生や教員と積極的に議論し交流を深めることができました。

1日目のワークショップでは、両大学の学生・教員による口頭発表と、学生によるポスター発表が行われました。本プログラムからは、学生5名と教員3名が英語で発表し、学生全員がポスター発表を行いました。国立台湾大学からは学生5名、教員3名が口頭発表し、11名の学生がポスター発表を行いました。多様な分野の研究者が集結するワークショップとなり、学生・教員という立場や研究分野を超え積極的な議論が交わされました。学生主体というワークショップの趣旨の通り、北海道大学のリーディングプログラム生が積極的に質問していたのが印象的でした。

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写真:1日目夕方に行われたポスター発表

ワークショップ2日目は、プログラム生・教員が4班に分かれ、国立台湾大学の施設や研究室を見学しました。訪問先の学生による研究紹介では、より詳細な議論や意見交換ができました。日本の大学とは異なる、海外研究グループの雰囲気や研究内容、学生たちの研究生活を聞くことで大変刺激を受けました。

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写真:ラボツアーで国立台湾大学の学生と交流を深めるプログラム生

今回のワークショップは、プログラム生が初めて企画した海外サマーキャンプであったので苦労もありましたが、とても有意義な活動になりました。開催の5ヶ月前から企画者として準備を進めることを通して、ワークショップを主催するために必要なことを学びました。至らない点や不手際もありましたが、国立台湾大学の学生や教員、リーディングプログラムの教員の多大なご指導、ご支援をいただいたおかげで、ワークショップを成功させることができました。今回のワークショップ開催で得た経験や教訓をプログラム生で共有し、国際的実践力を磨いていきたいと思います。

●NTU-HU joint Material Science Workshopでの発表を振り返って●
報告:リーディングプログラムパイロット生

1日目のワークショップで、 ”Periodicity of non-expanding piecewise linear maps and effects of random noises” と題して、口頭発表とポスター発表を行いました。口頭発表は質疑を含め15分間で、発表内容については、Piecewise linear map S(x)=ax+b (mod 1)に見られる(a,b)に関する周期性に見られるFarey構造を紹介し、その構造から示唆される応用上の問題を述べました。
(参考:Fumihiko Nakamura, Periodicity of non-expanding piecewise linear maps andeffects of random noises, Dynamical Systems: An International Journal, 2015)

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写真:口頭発表の導入部分に分数の計算のスライドを加えて工夫を凝らして説明するパイロット生

今回の発表のポイントは「化学専攻の人たちに数学の発表を英語で行うこと」でした。日本語でさえ伝えることの難しい数学を、いかにしてわかりやすく伝えるかに注意して発表の準備を進めました。具体的には、小学校で勉強する分数の計算からスタートするなどの工夫をしました。どのように伝わったのかはわからないのですが、発表を聞いた数名から面白かったという感想をもらい、ポスター発表時には何人かの教員と議論ができたので良かったのではないかと感じています。

異分野の研究者に自身の発表をする良い経験にもなりましたが、改めて異分野の発表を聞くことの難しさを感じたシンポジウムでもありました。過去にもこのような経験はありましたが、化学の専門用語が分からず理解に苦しみました。ただ、今後自分を成長させていく上で異分野の話を理解することは重要であるため、ポスター発表の時には自分が数学専攻であることを伝えた上で積極的に質問をしました。理解しがたい部分は多くありましたが、このような経験をたくさん積むことで少しずつでも異分野の発表の理解をできるようになっていきたいです。

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写真:ワークショップが開催された国立台湾大学

●Schedule●
◇October 1st, Thursday       ◇October 2nd, Friday
 9:00- 9:20               9:00- 12:00
 Opening Remarks                               Visiting Laboratory
 9:20- 12:10                                      12:00- 13:00
 Oral Presentation                               Lunch
 12:10- 13:30                                    13:00- 21:00
 Lunch                                               Excursion
 13:30- 16:20
 Oral Presentation
 16:20- 17:20
 Poster Presentation
 17:20- 17:50
 Concluding Remarks
 18:00-
 Banquet

報告:S.S.(リーディングプログラム1期生)、F.N.(リーディングプログラムパイロット生)
構成:リーディングプログラム事務局

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