2016
06.06

特別企画 公開パネルディスカッション “A Global Leader in the 21st Century” を開催

イベントプログラム行事

特別企画 公開パネルディスカッション “A Global Leader in the 21st Century” を開催

平成28年3月10日、リーディングプログラム特別企画のパネルディスカッションが行われました。議論のテーマは “A Global Leader in the 21st Century”。特別ゲストとして、政策研究大学院大学教授・科学技術振興機構研究開発戦略センター上席フェローである有本建男先生にお越しいただきました。

有本先生は、文部科学省科学技術・学術政策局長、内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官、科学技術振興機構社会技術研究開発センター長など、多数の要職を歴任し、2012年からは政策研究大学院大学の教授として教育と研究に携わっています。有本先生は日本の科学技術政策の立役者であり、科学技術基本計画をはじめとする科学技術政策の策定に行政官として長年参画してきました。

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写真:論点提示の講演を行う有本建男先生。

パネルディスカッションは、理学部7号館の大講義室にて行われました。前半では、本プログラムの石森浩一郎コーディネーターからの冒頭挨拶に続き、有本先生が論点提示の講演を行いました。有本先生は、単純に知識を生産しているだけでよかった20世紀型の研究はもはや通用しなくなっているということを指摘。世界が急速に変化する21世紀においては、社会的な価値を考慮して研究を行う必要があることを強調しました。

後半では、有本先生に加えプログラム生4名と石森コーディネーターが参加し、「21世紀型のグローバルリーダー」と題したパネルディスカッションを行いました。このパネルディスカッションでは、グローバルに活躍するためにリーディングプログラムで何を学ぶべきかといった議論から、学術政策におけるファンディングのあり方、研究体制の作り方、多様な価値観や国際経験を持つことの重要性についてまで、広範な議論が行われました。自ら政策立案に長年携わってこられた経験を有する上に、世界のトップレベルの科学者とも豊富な人脈をお持ちの有本先生の発言には含蓄と強い説得力がありました。

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写真:公開パネルディスカッションの様子。

中でも印象に残ったのは、「研究が忙しかったとしても、週末にでも、3時間でいいから自分自身の研究を俯瞰する時間を設けるべき」という言葉です。研究を俯瞰するとは、自分の研究テーマが科学の発展の中で、あるいは世界の科学者コミュニティーの中で、そして世界の政治経済の変容の中でどのような位置づけにあるのかをしっかりと考え、把握することであるといいます。

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写真:パネルディスカッション終了後の記念撮影。

 

翌日の3月11日には、有本先生によるプログラム生向けの講演会  “Bridging Science, Society and Politics in the Changing World” がフロンティア応用科学研究棟5階の講義室で開催されました。有本先生はまず、200年間続いてきた近代科学の歴史を俯瞰した上で、インターネットの普及以降、世界の政治経済システム、そして科学研究の方法論が急激に変化していることを指摘しました。そのような中、政策やファンディング・研究体制のあり方をどのように変えるべきかについての見解を示しました。そのほか、行政官として女性研究者を増やすための政策立案に尽力したお話などもしていただきました。

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写真:翌日の3月11日に行われたリーディングプログラム生向けの講演会の様子。

「自分の一生を振り返っても、この25年間で研究の方法論に急激な変化が起きたことを実感している」と有本先生はいいます。未来のグローバルリーダーとなるべきプログラム生に対し、科学史・研究の発展の歴史を学ぶこと、自分の立ち位置、自分の限界とビジョンをしっかりと把握すること、国際的な研究仲間を増やすことの重要性について、繰り返しアドバイスされていたことが特に印象的でした。

本リーディングプログラムでは、今回のような講演会やパネルディスカッションを積極的に実施しています。このようなイベントは、産官学各界の最前線で活躍されている方々と交流できる絶好の機会となります。リーディング生以外にも公開で行われることが多いので、興味をお持ちの方は当webサイトの「お知らせ」を定期的にチェックしてみてください。

2016.3.10-11ALP特別企画ポスター

写真:学内に掲示されたポスター
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報告:北原圭(リーディングプログラム特任助教)

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