平成27年11月18日(水)、19日(木)の両日、“The 3rd International Symposium on AMBITIOUS LEADER’SPROGRAM Fostering Future Leaders to Open New Frontiers in Materials Sciences “を開催しました。北海道大学フロンティア応用科学研究棟 鈴木章ホールでシンポジウムを開催した後、札幌郊外の定山渓に場を移し、落ち着いた雰囲気の中でポスターセッションとワークショップを行いました。講演を聴くだけになりがちな通常の国際シンポジウムとは違い、ポスターセッションやワークショップで海外の研究者と積極的にディスカッションすることに力点を置き、英語を“使う”能力の向上に取り組みました。また今期は、第1回、第2回のシンポジウムを経験したプログラム1期生が主体となり、企画・運営を行いました。
写真:フロンティア応用科学研究棟 鈴木章ホールで行われたシンポジウムの様子
初日の国際シンポジウムでは134 名が参加し、石森浩一郎コーディネーターの冒頭挨拶に続き、ペンシルバニア州立大学 Ljubisa R.Radovic 教授、デルフト工科大学 Freek Kapteijn 教授、ブルゴーニュ大学 Patrick Senet 教授、テキサス大学 Adrian Keatinge-Clay 教授が世界最先端の研究を伝えました。北大からも福岡淳 教授、忠永清治 教授、居城邦治 教授、谷野圭持 教授が講演されました。講演では最新の研究成果ばかりではなく、大学院生へのメッセージやアドバイスなど、大学院教育を主眼とした本シンポジウムならではの内容もありました。
写真:夜遅くまで活発に議論したポスターセッションの様子
夕方からは定山渓に移動し、ポスターセッションとワークショップを開催。海外からの大学院生とプログラム生がポスター発表を行い、夜遅くまで活発な議論を展開しました。今回からポスター賞が導入され、最優秀賞をMr.Xiaohui Sun(デルフト工科大)が、優秀賞をMr. Paul Grassein(ブルゴーニュ大)、西谷雄大さん(総合化学院、ALP)が受賞しました。
翌日はPBL型ワークショップを開き、プログラム生と海外からの大学院生が混合で少人数グループをつくり、英語でのディスカションを行いました。今回はTEDを題材とし、Marc Abrahams “A science award that makes you laugh, then think”、Elon Musk “The mind behind Tesla, SpaceX, SolarCity …”のビデオを鑑賞したのち、“How to create innovative environment? How to create an innovative mind? ”をテーマにグループディスカッションを行いました。どのグループでも終始和やかかつ熱気に満ち溢れた議論がなされました。投票により“Pathway to Innovation”と題して発表を行ったグループ*がベストプレゼンテーション賞を受賞し、イグノーベル賞にあやかった副賞を授与されました。
本シンポジウムを介してプログラム生は、事前の企画・運営から期間中の海外の研究者・学生サポートまで、物質科学の専門力の深化にとどまらず、グローバルリーダーたる素養を獲得するための貴重な経験を積むことができました。これからも、新たな発想による効果的な大学院教育プログラムの開発を進めてまいります。
*ベストプレゼンテーション賞を受賞したメンバー
Ms. Ina Vollmer(デルフト工科大), 南多娟さん(総合化学院,ALP), 榊 祥太さん(工学院,ALP), Mr. Drew T. Wagner(テキサス大), 岡本 守さん(理学院,ALP), 山本悠大さん (総合化学院,ALP)
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●改めて英語の重要さを知る良い機会となった第3回国際シンポジウム●
報告:リーディングプログラム1期生 T.S.
リーディングプログラム国際シンポジウムは、英語でのシンポジウムであったため自分の英語力が問われるものであり、改めて英語の重要さを知る良い機会となりました。18日の夕方に移動した定山渓では、来日した海外の学生とともにディスカッションやワークショップを行うだけでなく、食事や入浴までも一緒に行動するため英語を使用することが必須でした。まだまだ英語力に関して未熟であるために、自分の意志を伝えることも相手の言いたい事を理解することも少々苦労しましたが、積極的に英語で会話するという点でこれまでにない非常に良い経験となりました。グローバルリーダーに必須とされる英語に関して、積極的に話すという点で自身の能力を向上させるための第一歩になったと思います。この国際シンポを皮切りに英語に関して自ら進んで学んでいこうと意欲が湧きました。
写真:2日目のワークショップで、グループを代表して発表する様子
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●シンポジウム運営の方法を直接学んだ第3回国際シンポジウム●
報告:リーディングプログラム2期生 Y.O.
11月17日より2日間開催された国際シンポジウムへの参加を通して、シンポジウムを運営する方法を直接学ぶことができました。本シンポジウムは、学生が主体となって企画・運営することが主眼であり、初日の招待講演をはじめポスターセッションや二日目のワークショップなど、それらすべて1期生の先輩方が準備し、運営を行っていました。なかでも、すべての準備・運営・進行を1期生だけで担ったワークショップは、視聴したTEDの映像とグループディスカッションの課題を参加者がリンクして議論できるように設計されており、研究者としての在り方などを考えるよい機会となりました。私たち2期生が来年企画する際の大きな指標になったと感じます。今年は参加者として大変面白い内容であると同時に、来年度運営するための力になりました。この経験を活かし、来年度採用される3期生に今年以上の満足感を与えられるようなシンポジウムを企画したいです。
写真:2日目のワークショップでのグループディスカッションの様子
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報告:齋尾智英(リーディングプログラム協力教員・理学研究院助教)、T.S.(リーディングプログラム1期生)、Y.O.(リーディングプログラム2期生)
構成:リーディングプログラム事務局