2017
03.27

LEADER’S VOICE 04
異分野ラボビジット直前の3期生 文野 優華さん
~言語と分野の壁にくじけない私になる~

インタビュー異分野ラボビジット学生企画国際シンポジウムVoice

LEADER’S VOICE 04<br />異分野ラボビジット直前の3期生 文野 優華さん<br />~言語と分野の壁にくじけない私になる~

北海道大学 大学院生命科学院 生命科学専攻 薬品製造化学研究室 博士前期課程1年

文野 優華 さん(埼玉県出身)

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専門研究
通常は長い工程数を必要とする医薬品合成の効率化を目標に、遷移金属の特性を活かした高い不斉誘起能をもつ新規触媒の開発研究を行っています。

●応募までの道のり
研究は博士後期課程が本番 入学に誘う多彩なカリキュラム

母校の川越女子高校は、スーパーサイエンスハイスクール指定校。粘菌の持つ抗菌作用について初歩的な研究活動を体験できたことで薬学への興味がふくらみ、総合理系で北大を受験しました。生物と化学の両方を学べる薬学部に入った時点で大学院進学は決めており、修士課程の2年間で研究スキルがようやく身についた頃に修了してはもったいないという思いから、博士後期課程への進学を目指しています。本プログラム応募の動機は、異分野や海外、企業をキーワードとする幅広いカリキュラムに惹かれたから。指導教員の松永茂樹先生も専門研究との両立を応援してくださって、先に採用されている先輩のお話も参考になりました。


研究室で参加した6時間リレーマラソン。1周2kmのコースを3回走った。(前列右端)

選抜試験での面接エピソード
国際学会での悔しさから英語で研究内容をアピール

修士課程1年の7月、初めての国際学会に参加してポスター発表をしましたが、実はこのときTOEIC 800点近くを取ってはいても、実際はほとんど会話することができず、せっかく同じ分野の外国人研究者とディスカッションする機会があったのにふがいない返事しかできませんでした。この経験がたまらなく悔しくてそれからは英語で話す時間を増やし、リーディングプログラムの面接でも英語で自分の研究内容を説明して、さらに語学力を磨きたいとアピールしました。言葉の壁を感じずにもっといろいろな人と話したい。その気持ちはますます強くなるばかりです。

印象深いカリキュラム
国際シンポジウムで成長 
異文化体験で広い視野を獲得

2016年11月に行われた国際シンポジウムは3日間。オールイングリッシュでポスター発表とワークショップを経験しました。ポスター発表は、前述した面接の経験が役に立ち、はじめて実感をもって英語で解説や質疑応答ができて大満足。カナダ人研究者とも会話が弾み、自信になりました。ところが、ホテルの同室になった留学生たちに入浴マナーを含めた日本文化を伝える場面になると、私の語学力ではまだまだ不十分。ワークショップでも付箋紙を使う手法が留学生には通じないことがわかり、まさに自分たちも異文化のひとつであることを実感。成長も反省や課題も得られた貴重な3日間となりました。


国際シンポジウムでの一場面。研究内容に踏み込んだトークを交わすことができた。

楽しみにしているカリキュラム
知らないことを満喫する異分野ラボビジット

これから体験する異分野ラボビジットは、自分で所属先を希望します。私の場合、思いきって自身の専門研究である触媒づくりとはまったく異なる理学研究院化学部門物質化学研究室を選択。微小管やキネシンのような細胞内で物質の輸送を司るタンパク質について学びます。1か月という短期間ですが、ひとつでも多くのことを学べるように研究に使う化合物を事前に作って準備していくことで、限られた時間を有効に使いたいと考えています。ほかにも科学技術コミュニケーションの授業やこれから行くニュージーランドでの語学研修が楽しみで、将来を決めるためにもいろいろなことを経験したいです。

※所属・学年等は2017年3月現在のものです。

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