「Ph.Discover」プロジェクト始動のご挨拶

Ph.Discoverプロジェクトを代表してご挨拶申し上げます。

本学の理工系博士後期課程では、高度な専門性を修得した学生が毎年200人以上学位を取得しております。博士課程修了者のキャリアパスとして10年ほど前までは大学や公的研究機関等のアカデミアに職を求めるのが常例となっていましたが、最近では産業界においても新たなイノベーションの担い手となる高度な専門性と創造力を持つ人材が求められるようになり、博士課程修了者のキャリアパスの拡張に、大学も、学生も、企業も期待を高めています。しかし、一方でこれまでの博士課程教育では十分ではないことも指摘されてきています。そのため、従来型の博士課程教育の改革と大学教職員の意識変革が急務となってきました。

本学でも、産業界をはじめとした社会の多様な場面で活躍できるグローバル人材の育成を目指して、博士課程教育リーディングプログラム「物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム」(ALP)を2013年からスタートさせ、多くの企業から多様なご支援をいただいております。既に25名の修了生が産業界を中心に活躍していますが、2019年度をもちましてこのALPへの文部科学省からの補助期間が終了するにあたり、ALPでの実績を継承、発展させ、その教育成果・社会的意義をさらに明確に社会に対して目に見える形で示すことが、次の課題であると考えております。

そこで、ALPでの実績を踏まえ、今後も大学院教育改革を支える学内のプラットフォームとして、企業人として高度な専門性を生かせる博士の育成を目指す「理工系大学院教育改革プロジェクトPh.Discover(ピーエイチディスカバー)」を発足させました。

このプロジェクトは、大学だけでなく、学生、修了生、企業のみなさまと共に大学院教育の未来を考え、情報交換の場を提供することで博士(Ph.D.)人材の可能性をDiscoverしていく取組みです。大学や分野、専門の枠を超えて同じ課題に取り組んでいる他大学、他分野の皆様とも情報共有できればと考えています。

まずは、このプロジェクトの進展を加速させるために、多様なステークホルダーとの意見交換、学内外の実態調査、本学および国内外の大学における実践的取組みの検証と提案などの活動を支え、かつ、広く社会にアピールするウェブマガジンを企画しました。

本プロジェクトの趣旨並びに意義をご理解いただき、このウェブマガジンが学生、企業、大学を連携させ、博士課程修了者のキャリアパスの拡大とこれからのイノベーションを支える人材の育成に貢献できますように、皆様にはさらなるご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2020年2月吉日
国立大学法人北海道大学大学院理学研究院教授
博士課程教育リーディングプログラム「物質科学フロンティアを開拓する
Ambitiousリーダー育成プログラム」コーディネータ
Ph.Discover代表 石森 浩一郎