2023年12月1日(金)、北大・日立協働教育研究支援プログラムの一環で本学の博士課程学生が、株式会社日立製作所がイギリス・ケンブリッジ大学に設立したオープンイノベーション拠点である「日立ケンブリッジラボ」(Hitachi Cambridge Laboratory)を訪問しました。
※「北大・日立協働教育研究支援プログラム」とは、北大と日立製作所が協働し、博士課程学生に対する経済的支援を通じて、教育の質、研究の向上を図り、我が国及び世界の発展に資する事を目的とした奨学金給付制度です。
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日立ケンブリッジラボ
参加学生
・山﨑 歓友(やまさき よしとも)さん
所属:農学院DC3(北大・日立協働教育研究支援プログラム)
・ISLAM Md Refat Readul(イスラム リアドゥル エムディ リファット)さん
所属:歯学院DC4(DX博士人材フェローシップ)
・江藤 亘平(えとう こうへい)さん
所属:情報科学院DC2(学振特別研究員)
・佐藤 紫乃(さとう しの)さん
所属:情報科学院DC3(学振特別研究員)
イントロダクション
初めにNormann Mertig 博士(日立ケンブリッジラボの副所長)よりラボの概要について説明がありました。Mertig 博士は、かつて日立北大ラボに所属されていた北大にゆかりのある方です。
日立ケンブリッジラボは、1989年にケンブリッジ大学キャヴェンディッシュ研究所と日立製作所の研究開発グループが共同で設立しました。スピントロニクスや量子情報処理、量子光学・バイオセンサー等の分野で多くの成果を挙げています。
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日立ケンブリッジラボ副所長Normann Mertig博士の説明
午前中のプレゼンテーション
発表テーマ
山﨑 歓友さん:Development of a robot vehicle for orchard tasks ISLAM Md Refatさん: Biosensors and bioprinting in dental caries and periodontal disease research: Exploring New Frontiers 江藤 亘平さん:Room-temperature operation of quantum dot spin-polarized light-emitting diodes 佐藤 紫乃さん:Room-temperature electron-photon spin conversion based on Ⅲ-Ⅴ semiconductor quantum dot |
所長の C. G. Smith 教授をはじめ多くの日立ケンブリッジラボの研究者に参加してもらい、和やかなムードの中で意見交換が行われました。同じ分野の研究者だけではなく異分野の研究者からも活発に質問が投げかけられました。議論が足りない部分は、A. Ramsay 博士の提案により、午後に予定されていたディスカッションの時間も使って継続しました。共通理解が得られるまで議論を続けるという異分野交流の貴重な経験となりました。
研究発表する北大生4名
ケンブリッジ大学博士学生のプレゼンテーション
午後はケンブリッジ大学の博士学生であるBobby Luo(PhD student in Physics and Quantum Computing at the University of Cambridge)さんとChristopher K. Long(Cavendish Laboratory, Department of Physics, University of Cambridge)さんに、それぞれ量子コンピューティングと量子アルゴリズムに関するプレゼンテーションを実施いただきました。午前と同様に、活発な意見交換が行われました。
ケンブリッジ大学2名の博士学生発表の様子
施設見学、ディスカッション
研究所内の案内もしてもらいました。F. Martins 博士には量子コンピューターに関係する施設を、F. Brossard 博士にはバイオセンシングに関係する機器について説明してもらいました。その後は、各研究者、学生が研究分野毎に集まって、より深いトピックのディスカッションを行いました。海外の研究者と研究分野についてディスカッションする機会は、大変貴重であり有意義なものでした。
研究所内の紹介の様子
いずれの場面でも研究者同士の活発な意見交換、議論がなされ、各自の専門分野の研究推進や国際性の獲得に資する訪問となりました。
参加した学生の感想
・初めての海外なので心配でしたが、非常に有意義な時間を過ごせました。ケンブリッジラボの皆さんの親切なもてなしと、活発な議論に感謝しています。
・生体センサー分野での将来の協力の可能性にワクワクしています。
・ケンブリッジラボでのプレゼンテーション、施設の見学、大学の探訪など、すべてが素晴らしい機会でした。また、皆さんと一緒に昼食や夕食を共有できたのも良い思い出です。
・物理学の深い議論ができたことに感謝しています。
日立ケンブリッジラボへの訪問は、来年度以降も継続して実施予定です。