2021年9月29日、北海道大学物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム(以下ALP)の第8期生採用式が執り行われました。ALPとは物質科学を中心に分野横断的に学び、社会人として高い能力を養い、学位取得後には学術・研究機関だけではなく民間企業など社会の広い分野で国際的に活躍する人材を育成するための教育プログラムです。2020年3月に文部科学省の補助金事業としての期間は終了しましたが、北大の事業として継続して活動しています。
会場となったのは90年の歴史がある理学部本館大会議室です。第8期生として採用された4名の大学院生に山口淳二 理事副学長(プログラム責任者)から「プログラム生認定書」が手渡され祝辞が述べられました。
新しい社会における博士人材の位置づけとは
「ALP第8期生の皆さん、採用おめでとうございます。このプログラムは、アカデミック分野だけでなく、企業をはじめとする産業界など、社会で広く活躍できる博士人材を育成する目的として、2013年に新しい大学院教育としてスタートしました。これまでに40名以上の修了生がさまざまな分野で活躍しています。このような実績をもとに本学では、専門力に加えて、俯瞰力、フロンティア開拓力、国際的実践力、内省的知力のようなプラスαの力を教養する大学院横断的なプログラムが次々と生まれています。
理系ではスマート物質科学を拓くアンビシャスプログラム、文系では教養深化プログラム、(人間知×脳×AI研究教育センターによる)CHAIN大学院教育プログラムに、多くの大学院生が参加するようになりました。さらに、Society 5.0の新たな時代を切り拓く博士人材育成のため、大学院制度を抜本的に見直す大学院改革も進めています。コロナ禍の先行きがまだ不透明な中、不安を持っている方も多いかと思います。しかし、皆さんがこれから先の大学院課程の中で何を身につけるべきか、新しい社会における博士人材の位置づけを考えれば明らかです。是非、明確な目的意識を持ち続けてALPに参加し、社会の要請に応え、自らの展望を実現できる博士人材として成長することを期待しています。」
続いて、石森浩一郎 理学研究院教授/北海道大学副学長(ALPコーディネーター)が挨拶を述べました。
皆さんの人生、ネットワークが豊かになることを保証します
「8期生の皆さん、採用おめでとうございます。ALP教職員を代表して皆さんを歓迎します。先ほど山口理事からお話がありましたように、ALPには皆さんの期待、伸ばしたい能力やスキルを養うためのピースは全て揃っています。しかし、与えられたカリキュラムを順番に履修するだけでなく、主体的に様々な経験を積んで欲しいと願っています。
例えば「異分野ラボビジット」で、自分の専門外の研究室に行きます。その研究室のみなさんも快く迎えてくれ、非日常を体験できるので、楽しいはずです。しかし、「楽しかったなぁ…」とレポートを提出すればいい訳ではありません。そこで何を得たか、これから先、自分たちの研究に何を活かすか、それを考えてほしいのです。もし、さらに発展させたい研究アイディアが生まれたら、またその研究室に行くこともできます。
このように、ALPは、様々なきっかけを与えてくれます。そのきっかけをどう活かすのかは、皆さん次第です。ぜひ、自分で見つけ出したチャンスを大切にし、目的意識を持って学んでください。ALPの本当の成果を感じるのは10年先かもしれませんが、皆さんの人生、ネットワークが豊かになることは保証します。明日から4年半、頑張ってください。」