2023年3月8日に本学事務局において、「研究成果でSDGsに貢献する発表会」の表彰式が執り行われ、受賞学生に対して山本文彦教授(理事・副学長/大学院教育推進機構長)から盾と副賞が手渡されました。
※「研究成果でSDGsに貢献する発表会」は、2022年12月の「北海道大学×チカホ サイエンス・フェスタ2022」のメインコーナーとして実施したイベントです。実施概要はこちらからご覧ください。
受賞学生は以下のとおりです。
最優秀賞:中西 登志紀さん(農学院博士2年)
「革新的な養蚕業(カイコ×ウイルス×DX)で拓く、医療の未来」
発表内容はこちらからご覧ください。
優秀賞:森田 豪さん(農学院博士2年)
「自動走行と遠隔操縦を組み合わせた農業用トラクター」
発表内容はこちらからご覧ください。
SDGs賞:浪江 日和さん(農学院博士1年)
「無肥料・無農薬水田が未来の地球環境を救う!? -江戸時代に倣う水田農法-」
発表内容はこちらからご覧ください。
※受賞者は学内外の審査員による審査、来場者による投票により決定しています。1,000票を超える投票をいただきました。投票いただき、ありがとうございました。
表彰式では、受賞者の発表とともに、審査委員長を務めた山本文彦教授のメッセージや学生を代表して中西登志紀さんから挨拶がありました。
山本文彦教授からのメッセージ
挨拶する山本理事
このチカホのイベントは大学としては初めてのイベントで、色々な意味で外に出ようというテーマを掲げていました。大学院の皆さんは研究室の中や、研究会、企業向けには話する機会があったはずですが、一般市民の方に発表する機会は今までなかっただろうと思います。
今回参加した学生は全部で66名おりました。私もポスターを全部見ましたが、いずれもレベルが高く、見せ方にも様々な工夫があり関心をもつことができました。その中でも、本日ここに来ていただいた3人の方のポスターは、特に分かりやすく素晴らしい内容のもので、多くの方に票を得ました。皆さんが「伝える」スキルを磨き、研究の魅力をわかりやすく、人に伝えていきたいという気持ちが強くあるのだと思います。
これからの大学教育では、専門分野の研究についてはもちろん推し進めてもらい、さらに一般の人にも研究の内容を伝えて、そして場合によっては一般の人たちと一緒になって自分の研究を実践していけるようなエネルギーや力を持った人たちを博士人材として養成していきたいと思います。みなさんは北大が育成したい博士人材像のパイオニアです。これからの活躍に期待します。
中西さんからの挨拶
挨拶する中西さん
この度、このような素晴らしい賞をいただき大変嬉しく思っております。また、今回の研究成果でSDGsに貢献する発表会inチカホの実施にご尽力いただいた関係者の皆様、審査員の方々、そしてご来場いただいた、市民の方々に厚く御礼申し上げます。参加して、市民の方々の理解や興味はそれぞれ異なっており、その都度説明を変更する必要性があることに気づきました。自分の発表や意見を押し付けるのではなく、市民の方々とお話しするという気持ちで臨むことで、コミュニケーションがうまく取れ、結果的に自分の発表を理解していただけることを学ぶことができました。
私は今回のイベントにおいて、当初目的としていた多くの方々に私の研究を理解していただく、という目標を達成することができました。また、同時に、自分以外のポスターを拝見することもでき、ここに描かれた未来が本当に実現すれば、世界はもっと良くなると希望を抱くことができました。今回得られた経験、寄せられた言葉、ご意見はこれからも研究生活に生かしていきたいと思います。
藤田修教授からのメッセージ
挨拶する藤田教授
審査員として全員分のポスターを見させていただきましたが、かなり優れているものがたくさんありました。その中でも、受賞された3名のポスターは、記憶にはっきりと残っている印象深いものでした。山本理事の言葉にもありましたが、博士課程の研究はどうしても研究室の中で、自分1人や数人のメンバーでやるということが多く、なかなか外の人とコミュニケーションをとるチャンスがありません。今回のイベントは、自分の研究を専門家ではなくて一般の方に分かりやすく伝えるという貴重な経験になったと思います。この経験を生かして、ぜひ今後も活躍していただければと思います。
出村誠教授からのメッセージ
挨拶する出村教授
皆さん、おめでとうございます。皆さんの作品は、一般市民からも研究者からも分かりやすい内容でありながら、レベルも高かったと思います。今回のイベントでは、17個あるSDGs項目のうち、自分が得意とする項目、自分の研究に当てはまると思った項目をテーマとして選択したと思います。ですが恐らく、地球上に暮らしている皆さんは17の項目全部が繋がっていなければならないと思っているし、実際に繋がっていると私は思います。皆さんには「テーマとして選択しなかったSDGs項目はどうするのだろう」という課題意識をぜひ持ってもらいたいです。直接的ではなくても間接的に必ず繋がりますから、そういうことを意識しながら自分の専門を深めて、社会との繋がりを広げていくと良いと思います。
授賞式は終始和やかな雰囲気で実施され、終了後は受賞者によるポスター内容の発表会を実施いたしました。
ポスター内容を発表する浪江さん
最後に、研究成果でSDGsに貢献する発表会に参加いただいた皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。
サイエンスフェスタは2023年度も実施予定ですので、是非次回もご参加いただけますと幸いです。