2023年4月5日(水)、2023年度北海道大学スマート物質科学を拓くアンビシャスプログラム(以下、SMatS)第3期生採用式が理学部本館大会議室にて執り行われました。このプログラムは、博士後期課程の大学院生に対して、専門分野の研究にとどまらず、スマート物質科学力ならびに社会実装実現力を養成するものです。武次徹也コーディネーターが3名のプログラム生に認定証を授与しました。
武次徹也コーディネーターの挨拶
3期生に採用されたみなさま、採用おめでとうございます。プログラム担当教員一同、みなさまを歓迎いたします。
SMatSは北大独自の大学院教育プログラムで、2021年度に始まったものですが、もちろんいきなり始まったわけではなくて、本学の研究教育を支えている主要分野の一つである物質科学分野の伝統の上に成り立ったものです。国立大学が法人化して、各大学は文部科学省から提示されたプログラムを主体的に取っていかなければいけない状況が生まれ、北大の化学系が結集して、2007年にグローバルCOEプログラム「触媒が先導する物質科学イノベーション」に採択されました。その公約として、2010年に皆さんが所属している総合化学院が設置されました。この年に、理学部化学で学位を取得され、工学部応用化学で教育研究に従事された鈴木章先生がノーベル化学賞を受賞されたことは大きな追い風となりました。
そして博士課程教育リーディングプログラム「物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム(ALP)」が2013年に始動し、数理科学と科学技術コミュニケーションを導入することで、物質科学における異分野融合を促進しました。2018年には、世界トップレベル研究拠点プログラムICReDD(化学反応創成研究拠点)が始動し、計算科学、情報科学、実験科学を融合することで、人類にとって重要な化学反応を発見する速度を加速する研究拠点が誕生しました。2021年にはICReDDに在籍するBenjamin List特任教授がノーベル化学賞を受賞したのは記憶に新しいところです。
SMatSはリーディング教育プログラムと研究拠点であるICReDDの性格を併せ持った、この分野の次代を担う人材を育成する教育プログラムであります。
SMatSを通して、数理科学・計算科学・情報科学の実践力を学ぶと同時に、異分野融合を意識したアクティビティにも積極的に取り組んでください。3年続いたコロナ禍による活動自粛もだいぶ緩和されてきましたので、海外に行くチャンスも増えることと思います。皆様のご健闘をお祈りしています。