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Ph. Dialogue #15 研究開発のユニークな制度でボトムアップのイノベーションを支援

Ph. Dialogue「博士人材セミナー」は、Ph. Discover連携企業からゲストを迎え「博士課程修了者が企業でどのように活躍しているのか」「企業は博士人材に何を求めているのか」について話していただき、後半はゲストと学生が対話を通して交流する企画です。15回目は落合祐介さん、福田胡桃さん(住友ファーマ株式会社)をお迎えしました。

住友ファーマ株式会社:

2005年に大日本製薬と住友製薬の2社が合併して誕生した医薬品会社。2022年に大日本住友製薬から住友ファーマに社名を変更。精神神経領域とがん領域を重点疾患領域とし、最先端の技術を取り入れて低分子、再生・細胞医薬を中心とした医薬品研究開発に加え、デジタル技術を活用した非医薬事業にも取り組んでいる。

住友ファーマの人事部採用担当の落合と申します。修士課程を修了後に入社し、社会人になってから博士号を取得しました。今年で入社10年目になります。元々は研究職で入社し、創薬研究を8年間行いました。今は人事部で新卒採用と新入社員の研修を担当しています。

当社は海外子会社が16社あり、医薬品売上の3分の2を海外が占めるグローバル企業です。2033年には「グローバル・スペシャライズド・プレーヤー」となることを目指し、海外展開を進め、新薬開発によってグローバル・リーダーとしての存在感を高めようとしています。

博士人材への期待

当社は創薬に関する研究職において、博士人材の採用を積極的に行っています。研究職というのは、新しい研究テーマを発案したり、軌道に乗ったテーマの価値を最大化したりする仕事で、Ph.D.の方が高い研究力を発揮できる仕事です。我々は博士人材に3つのことを期待しています。

1つ目は極めて高い専門性です。これは、医薬品に関する専門性ということではありません。研究テーマの内容に関わらず、皆さんが自身の研究を、どれだけ深く突き詰められているか、ということです。

2つ目は戦略的な思考です。皆さんも普段、論文を書くにはどのようにデータを取ればよいのか、研究のゴールに向けて何をすればいいかを日頃から考えていると思います。こういった研究に関する戦略的な思考は、企業研究においても重要です。

3つ目は自律的な行動です。チャレンジングなことに取り組むには、受け身ではなく主体的に動くことが必要です。皆さんは研究室で後輩指導も含め主体的な研究活動を行っていると思います。そのような経験を通して身に着けた高い自律性を求めています。

また、企業で働く上では、社会貢献や社会還元に喜びを感じることが必要です。つまり、世の中に必要とされるものをどんどん生み出そうというものづくりへの熱意、さらに、自分の専門性や強みをどんどん発揮して社会に貢献したいというマインドが非常に大切です。

会社説明会や面接で、「海外で研究するチャンスはありますか?」という質問をよく受けます。当社の社員で、海外の研究所や共同研究先に派遣される研究員のほとんどはPh.D.を持っている方です。このように活躍の舞台を海外に広げていけるのがPh.D.の価値の一つです。

アカデミアと企業研究の違い

アカデミア研究の目的は、真理の追求、メカニズムの解明や新しい概念の提唱かと思います。一方、企業研究の目的は、科学的価値を社会還元することや、その社会還元を通して利益を確保することになります。

目的が違うので、成果や重視するポイントも違います。例えば、アカデミアの場合は、論文掲載や学会発表が成果になりますし、研究成果の新規性、進歩性が重視されます。一方、企業の場合は、製品(医薬品)が成果になりますし、世の中に求められる製品を1日でも早く製品化することが重視されます。

また、医薬品開発では良い薬を作るために、薬理学や生物学、薬物動態・毒性学、有機化学、情報学など、さまざまな領域の方が集まって、専門性を発揮して連携します。さまざまな専門性を持った方たちが関わる点も企業とアカデミアの違いです。

研究開発方針

当社の研究活動は、有効な治療法がない疾患において革新的な新薬の創出に挑むことを方針として、現在は精神神経、がん、再生、細胞医薬の3分野を研究に注力しています。

新薬研究開発プロセスには、創薬研究、臨床試験、承認申請、販売の4ステップがあります。まず、創薬研究のステップでは、薬の候補となる物質を合成して評価を行います。そして、臨床試験のステップで、実際にヒトに投与して有効性や安全性を確認します。その後、国に承認申請を行い、承認されると販売されるという流れになります。

当社には、上司が指示するのではなく、一研究員が自分のアイディアを実現することによってイノベーションを起こすという、ボトムアップのイノベーションを重視する制度があります。

研究プロジェクト制

このボトムアップイノベーションを重視する推進制度を2つご紹介します。まずは研究プロジェクト制です。こちらは精神神経領域の中で取り入れているテーマの進め方の制度になります。スライドの左側の青色のところがテーマの始まる研究の部分、右側の黄緑色のところが臨床試験に移る部分になります。

この制度の1つ目の特長は、テーマが始まる「布石」の段階で、テーマ発案者が必ずリーダーになる点です。つまり入社1年目でも、情熱といいアイディアがあれば、誰でもテーマリーダーになれるのです。なぜなら、テーマに対して一番知識や情熱があって、テーマを前に進められるのは、やはり発案者だからです。

2つ目の特長は、プロジェクトが上手く進み臨床試験に移る際、リーダーが2つのキャリアを選べる点です。まず、自分のテーマとともに開発部門に異動して、今度は開発のメンバーとして臨床試験を進めるという道。もう一つが、研究部門に残り、また新たな立場として活躍し続けるという道です。

3つ目の特長が、研究開発の各ステージで、関係部門がリーダーを全面的にサポートする点です。若手の方がリーダーになると知的財産や契約などサイエンス以外の部分で経験不足で苦労することがありますが、その際に、関係部門のベテラン研究員や研究所所長クラスの方が、全面的にサポートしてくれます。こうした体制によって、若手がリーダーになっても自分のやるべきことに集中することができます。

バーチャルワンチーム(VOT)

次に、バーチャルワンチームについてご紹介します。

研究プロジェクト制では、各疾患やターゲットごとに、幾つかのプロジェクトが並行して進んでいます。その中で各プロジェクトに共通するような研究課題や関心事が出てきます。

そこで、テーマや関心毎に対して、組織やプロジェクトの枠にとらわれない仮想的なチーム(バーチャルワンチーム)を作って、情報交換や課題解決を図ります。現在は、10から15のチームが活動を行っています。

例えば、グリア細胞の神経炎症に関わるような課題に関しては、グリア創薬のバーチャルワンチームを作って活動しています。

また、新規モダリティバーチャルワンチームというチームもあります。新規モダリティとは、まだ使用されていない医薬品や、使用され始めた段階の医薬品のことを指します。

新規モダリティ―バーチャルワンチームでは、低分子や再生医療だけではなく、遺伝子や核酸、タンパク、DTx(デジタルセラピューティクス)、改変抗体などどんなモダリティも対象です。個人のアイデアレベル、つまり0.1の状態の新規テーマを、チームでディスカッションすることで、テーマ化、つまり1にすること目指す、新規モダリティのアイデアと熱意を持つ人達をサポートするチームです。

当社で活躍する博士修了者

当社では職種別の採用を行っています。また、エントリーの際、研究職では、研究領域毎に募集し、選考を進めています。よって、自分の専門性を発揮できる領域、やりたい領域を選んでエントリーできます。

当社は製薬企業ですが、研究職の新卒採用で入社した人を学部・学科別で分類してみると、薬学研究科や薬学部出身者は4割しかいません。残りの6割は農学、理学、工学、医学などさまざまな学部、研究科の方です。新卒採用では、専門性が創薬研究にマッチするかどうかだけでなく、研究者としての資質、人柄を重視しているので、さまざまなバックグラウンドの方が入ってきています。

研究開発の拠点は日本にありますが、アメリカにもいくつか研究活動を行う拠点を構えていますので、どの部署であっても研究をする上では海外と密に連携しています。そのため、研究者には海外の研究者と渡り合えるだけの非常に高くかつ幅広い専門性と戦略的な思考が求められています。是非こういった能力を発揮したい方と研究開発して行けたらなと思います。

博士課程の方は日々研究に取り組まれていると思います。ぜひ、目的と自信を持って専門性を磨いてほしいです。博士号を取るのはゴールではありません。取ってからのキャリアの方がずっと長いので、目先の就活だけではなく、長い人生を考えていただければと思います。

コミュニケーションタイム

Q:さまざまな専門分野出身の方が研究職で活躍されているとのことでしたが、工学出身の場合は、どういった場面で活躍できますか?

A(落合さん)
例えば研究部門の中には、インシリコ創薬というデータサイエンスに関する研究を行うグループがあります。そういったユニークな専門性の方が、新しいアイディアなどを生み出せる余地があると思います。

Q:発案者がリーダーになって活躍できる機会があるとの話でしたが、リーダーにならなくても、学生時代に培った研究遂行能力を活せる機会はありますか?

A(福田さん)

福田胡桃さん
薬理研究ユニット所属。農学部出身で学部時代は昆虫を対象とした研究に従事。大学院博士課程からは理学系に専攻を変え、マウスの卵子形成の研究を行った。2019年に入社し、今は神経変性疾患、精神疾患の研究を行う。

リーダーではなくテーマのメンバーとしても研究で培ってきた能力を生かせます。リーダーになると実験以外に時間を割くことも増えてくるので、メンバーがアイディアをリーダーに上げて、みんなでディスカッションしながら研究を進めることも多いです。

Q:ライフワークバランスをどのように取っていますか?

A(福田さん)
土日が休みなので学生の時と異なり、しっかり休めます。博士卒の場合は2年目から裁量労働制になるので、朝病院に行って11時に出勤しても、その分少し遅くまで残って仕事をするなど、柔軟性のあるスケジュールを組めます。他にもお子さんがいれば時短勤務にできるので、そういう形でライフワークバランスを取っている方もいます。

Q:生物化学を専攻していて、その博士号を取る予定ですが、情報科学についても積極的に取り組み、実際に研究に取り入れるなどしています。このようにサブスキルを有している博士課程修了者の需要はどれくらいありますか?

A(落合さん)
例えば、大学で行っていたがん研究で身に付けた能力を、精神神経の創薬にどう活かすのかをアピールされる方はいます。1つの専門性を突き詰める方もいれば、2つ目、3つ目の専門性を組み合わせてユニークな人材として成長されている方もいると思います。

A(福田さん)
需要は非常にあります。まず、薬理研究をやっていく上で、実験の技術も大切ですが、そのデータをどう解析するのかが非常に重要です。生物関連の知識や技術を持ちながら、データサイエンスもできるような方は求められていると思いますし、強みになるスキルだと思います。基盤ユニットにおいてもデータサイエンティストとして活躍できるかもしれません。

Q:研究職でも転勤はありますか?

A(落合さん)
研究所は大阪に2か所、兵庫に1か所ありますが、どの研究所も電車で1時間で着くくらい近いです。なので、研究所間を異動する場合、引っ越す必要性は低いと思います。ですが、例えば臨床開発を行う部署など主要拠点が東京本社にある部署に異動になった場合は、転勤していただくことになります。

A(福田)
仮に少し勤務地が遠くなってしまった場合にも、在宅勤務が可能になっているので、デスクワークが多い日は、在宅にできます。最低限出社しないといけない日数はありますが、ある程度家からも仕事が出来るところが最近の良いところかなと思います。

Q:日本人以外の学生、留学生の採用もしていますか?

A(落合)
研究開発で働く方にも留学生だった方もいます。当社は留学生枠を設けていないので、基本的には日本の学生と同じ枠での採用となります。仕事上のコミュニケーションが可能なレベルの日本語はもちろん必要ですが、それをクリアしていれば大丈夫です。

Q:採用の際、年齢は関わってくるでしょうか?

A(落合)
年齢制限は全くありませんが、年齢が高くても、博士卒で入る方の初任給は同一です。将来的な賃金という観点で悩みがあるなら、キャリア採用も検討してください。特に何歳だから不合格ということは全くないので、その点はご安心ください。

Q:社会人で博士号を取得するための、会社としての支援はありますか?

A(落合)
例えば、共同研究などで大学に数年間、派遣し、派遣先での研究成果で博士号を取る方もいます。そういう意味で支援があると思います。

Q:特に女性では、結婚や出産で悩むことも多いですが、そのあたりはいかがですか?

A(福田)
女性が博士進学する際に悩みとして上がってくる問題かと思います。自分も含め、博士課程の時に結婚してから入社される方もいますし、中には、博士課程のうちに、結婚と出産をされたという方もいます。また、会社においては産休、育休制度があるので、こちらを利用し、研究に復帰される方もいます。博士課程も会社も貴重な機会や時間を上手に使いながら、柔軟に自分の人生設計をしていくというのも手かなと思っています。

開 催:2022年3月1日
主 催:Ph. Discover
共 催:北海道大学大学院理学研究院/北海道大学数理・データサイエンス教育研究センター(データ関連人材育成プログラム)/北海道大学博士課程物質科学リーディングプログラム

Information

Update

2023.05.15

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