2022年10月4日(火)、北海道大学物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム(以下、ALP)の修了式が、理学部大会議室にて執り行われました。ALPとは物質科学を中心に分野横断的に学び、社会人として高い能力を養い、学位取得後には学術・研究機関だけではなく民間企業など社会の広い分野で国際的に活躍する人材を育成するための教育プログラムで、特に、数理科学と科学技術コミュニケーション教育に力を入れています。2020年3月に文部科学省の補助金事業としての期間は終了しましたが、北大の事業として継続して活動しています。プログラムコーディネーターの石森浩一郎理学研究院教授(副学長)より修了証が手渡され、修了生の呉佳氷さん(環境科学院)が挨拶を述べました。
修了生、呉佳氷さんの挨拶
私の博士課程は新型コロナウイルスの時期と重なり、研究生活は一変しました。オンラインのイベントが続いた時期もありましたが、本日のように対面で皆様とお会いすることができてとても嬉しいです。心よりお礼を申し上げます。
コロナなど、大きな環境の変化はありましたが、4年間のリーディング生としての生活はとても充実していました。特に、同期たちとのチームワークによって様々な経験を積みました。チームにおける自分の役割を考えて実行に移したり、コミュニケーション能力を鍛えたり、将来、社会人として不可欠となる協調性を身につけました。
日本語の習得に悩んで落ち込むこともあり、ALPの活動は決して楽なものではありませんでしたが、先生や事務のみなさん、同期や先輩達の助けが今日の私に繋がっています。
一般的な大学院生と違って、ALPは人と人との交流の場や新しい刺激を提供してくれ、仲間と一緒に成長できる環境でした。そして内省的知力を得たことが一番の収穫でした。修了後は、ALP生の誇りを持って日本の企業で活躍したいと思います。
石森浩一郎プログラムコーディネーターからの祝辞
呉さん、修了おめでとうございます。留学生である呉さんにとって、このプログラムは厳しい面もあったでしょう。それを乗り越えて、今日を迎えたことにプログラム代表者として安堵と喜びを感じています。来春には、企業への就職が決まったそうですね。企業と大学は研究のスタイルが違いますが、情熱、熱意、そして興味をもって何事にも取り組んでみてください。
先日の9期生採用式でも紹介しましたが、本学ICReDDの特任教授で、昨年度(2021年)ノーベル化学賞を受賞したベンジャミン・リスト先生の言葉、“Follow your enthusiasm.”を抱いて呉さんらしい道を切り拓いてください。世界情勢を見渡すと暗い気持ちになることもあります。呉さんの母国の中国も日本も様々な問題を抱えています。国家間では摩擦もあるかもしれませんが、個々人の友情や繋がりに国境はありません。呉さんが情熱を持って仕事をしている姿は、周りの人がしっかりと見てくれるはずです。私たちも応援し続けます。ALPで学んだことを糧としてぜひグローバルリーダーとして頑張ってください。
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北海道大学物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム(ALP)の活動はPh.Discoverで紹介されています。受講生のメッセージなど、随時発信しています。ぜひご覧下さい。