技術者・研究者のキャリア支援に特化した事業を15年以上にわたって続けている株式会社アカリクは、研究職以外で博士学生の採用を行っている、または何度も採用していた人事担当者109名を対象に、「博士学生のビジネスでの活躍に関する実態調査」を実施いたしました。
調査概要
「博士学生のビジネスでの活躍」に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年3月17日
有効回答:研究職以外で博士学生の採用を行っているまたは何度も採用していた人事担当者109名
調査サマリー
- 博士学生の採用を行っている理由、「志の高い人材が必要だから」が最多
- 97.3%の人事担当者が、「博士学生のパフォーマンスが高い」と感じた経験がある
- 91.8%の人事担当者が、「博士学生の研究の経験がビジネスをする上でも価値となっている」と感じている
- 91.8%の人事担当者が、「これからも博士人材の採用を続けていきたい」と回答
研究職以外で博士学生の採用を行っている理由、「志の高い人材が必要だから」や「技術者を育成できる人材が必要だから」など
「Q1.あなたの会社で、博士学生の採用を行っている理由を教えてください。(複数回答)」(n=109)と質問したところ、「志の高い人材が必要だから」が45.0%、「技術者を育成できる人材が必要だから」が42.2%、「深い専門性のある人材が必要だから」が33.9%という回答となりました。研究活動を通じて培われる専門性だけでなく、物事を追及する熱意や忍耐力といった博士の研究に向き合う志の高さが評価されているようです。
97.3%の人事担当者が、「博士学生のパフォーマンスが高い」と感じた経験がある
「Q2.あなたは、博士学生が他の学部生や修士と比べて、パフォーマンスが高いと実感した経験がありますか。」(n=109)と質問したところ、「何度もある」が56.0%、「数回程度ある」が41.3%という回答となりました。97.3%の人事担当者が、博士学生のパフォーマンスの高さを実感しているようです。
博士学生のパフォーマンスが高いと実感した点、「研究によって得た幅広い知識により視野が広い」が53.8%で最多
Q2で「何度もある」「数回程度ある」と回答した方に、「博士学生が他の学部生や修士と比べて、パフォーマンスが高いと実感した点を教えてください。(複数回答)」(n=106)と質問したところ、「研究によって得た幅広い知識により視野が広い」が53.8%、「批判的な思考力がある」が45.3%、「高い専門性や研究スキルがある」が39.6%という回答となりました。また、「視野の広さ」や「批判的な思考力」などのスキル面だけでなく、粘り強く努力したり、熱心に取り組む姿勢など、様々な点において博士学生は評価されているようです。
91.8%の人事担担当者が、「研究の経験がビジネスをする上でも自社の価値になっている」と回答
「Q5.研究の経験がビジネスをする上でも自社の価値になっていると思いますか。」(n=109)と質問したところ、「非常にそう思う」が34.9%、「ややそう思う」が56.9%という回答となりました。研究職だけでなく、ビジネス領域のポジションにおいても博士学生を採用した経験がある人事担当者の9割以上が、「博士学生の研究の経験がビジネス上でも価値がある」と感じています。
91.8%が、「これからも博士人材の採用を続けていきたい」と回答
「Q8.これからも博士人材の採用を続けていきたいと思いますか。」(n=109)と質問したところ、「非常にそう思う」が41.3%、「ややそう思う」が50.5%という回答となりました。9割以上の人事担当者が、今後も博士人材の採用を続けていきたいと回答しています。
これまでの質問で、博士人材のパフォーマンスの高さや研究の経験がビジネス上でもしっかりと評価されていることが分かりました。このように、人事担当者は博士人材のビジネスにおける価値を十分に実感しており、今後の採用についても積極的であることが分かります。
まとめ
研究職以外で博士学生の採用に携わったことがある人事担当者109名を対象に、博士学生のビジネスでの活躍に関する実態調査を実施を実施しました。博士を採用する理由として「志の高い人材が必要だから」という回答が最も多く、物事を追及する熱意や忍耐力といった研究に向き合う姿勢が、採用の決め手となっているようです。97.3%の人事担当者は、他の学部生や修士と比べて、「博士学生のパフォーマンスの高さ」を実感しており、「視野の広さ」や「批判的な思考力」などのスキル面だけでなく、粘り強く努力したり、熱心に取り組む姿勢など、マインド面も評価しています。また、91.8%が「研究の経験がビジネスをする上でも価値となっている」と回答しており、博士が企業で活躍していることが伺えます。
今回の調査では、人事担当者は博士のビジネス領域における価値をしっかりと把握したうえで、今後の博士人材の採用にも積極的であることが分かりました。博士学生の就職活動では、彼らの特徴である高度な専門性が注目されることが多く、博士側も自身の専門性を軸にした進路選択をする傾向にあります。しかし、博士の持つ魅力は高い専門性だけでなく、その高度な研究を支える基礎的能力や物事を追及する姿勢などが、ビジネス領域において高く評価されています。博士の方々は、専門性以外の強みを理解することで、研究領域以外でも自身のポテンシャルを発揮して活躍できるかもしれません。
アカリクでは、このようなビジネス領域における博士の強みを可視化できる、大学院生のための自己分析ツール「アカリク診断」の提供を開始しました。「アカリク診断」では、大学院生に合わせた観点で強み・弱みの分析を行うことができ、「アカデミックキャリア」「ビジネスキャリア」「ライフキャリア」のカテゴリに分け、それぞれの能力を数値化いたします。また、近いキャリアコンディションとなる学生の中での自身の立ち位置確認の機能や、自己PRに役立つアドバイスがもらえる仕組みなども備わっています。自分を客観視することで、キャリアを見つめなおしてみませんか。
- 大学院生のための自己分析ツール『アカリク診断』
今後、博士人材が研究領域に加えて、より多様な領域においても、これまでの経験やスキルを遺憾なく発揮できる環境が増えることを願っています。
参考調査:2024年卒博士学生の就活意識調査:学部生・修士との違い(株式会社アカリク)
アカリクについて
アカリクは「知恵の流通の最適化」というコーポレートミッションのもと、大学院生や研究者の方々のキャリア支援を行っています。高度研究機関である大学院・その他研究機関において日々産み出される「知恵」を広く社会・産業界につなぐことで価値を創出し、「知恵の流通」の最適化に貢献していくことを目指しています。大学院生のキャリア選択肢を増やすことで、大学院進学者が増え、結果として日本の研究レベルが上がると考えられます。そして、優秀な研究者がさまざまな場所で活躍することで、世の中の研究開発活動が活発化し、たくさんのイノベーションが生まれ続ける、そんな世界を実現するためのインフラとなることを目指します。
会社名:株式会社アカリク
創業 :2006年11月
代表者:代表取締役 山田諒
所在地:東京都渋谷区渋谷2-1-5 青山第一田中ビル2階
資本金:1億1500万円
事業 :大学院生・ポスドク向け就活情報サイト「アカリク」の運営、研究分野・業種・職種別イベントの企画開催、大学等でのキャリアセミナーの実施、新卒大学院生・若手研究者・大学院出身者の人材紹介、オンラインLaTeXエディター「Cloud LaTeX」の運営など。