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Ph. Dialogue #19 起業の経験からの学びと これからのアカデミアの在り方とは

Ph. Dialogue「博士人材セミナー」は、Ph. Discover連携企業からゲストを迎え「博士課程修了者が企業でどのように活躍しているのか」「企業は博士人材に何を求めているのか」について話していただき、後半はゲストと学生が対話を通して交流する企画です。19回目は柴藤亮介さん(アカデミスト株式会社)をお迎えしました。

アカデミスト株式会社:
2014年4月に研究者が研究アイデアを発信することで研究費を獲得できるクラウドファンディングサイト「academist」を公開。「開かれた学術業界を実現し、未来社会の創造に貢献する!」をビジョンに掲げ、研究者と個人、研究者と法人をつなぐ事業を推進する。

アカデミスト株式会社の柴藤です。学術系クラウドファンディングサイト「academist」を運営しています。本日は、私がどういうモチベーションで会社を作り、どんな苦労があって、どんな成果を残し、どんな悩みを抱えているかをご紹介します。

設立のきっかけ

私は東京都立大学で理論物理の研究をしていました。修士課程の時、大学院生が集まってシリコンバレーに行き、そこでの博士卒の活躍を見学しようという企画があり参加しました。さまざまな企業で聞いた話の中で一番驚いたのが、出る杭になることが大事という話でした。「博士号を持つという、尖った経験をしているのだから、博士号の価値は尖ったものを生み出すことである。皆さんが少しでも疑問に思っていることに対して、今、出来るアクションを取ってほしい」と聞いて納得しました。

帰国して、研究室の横のつながりがほとんどないという課題に気づきました。隣の研究室の学生すらどういう研究をしているのかが分からないということは、他の分野の学生のことはもっと分からないということです。大学院生は1人1人が研究ビジョン、熱いものを秘めているはずです。そこで、その横のつながりを作るため、2010年4月に異分野交流会を開催しました。友達を呼んだり、Twitterで声をかけたり、口コミを広げたりして、全部で8、9回ほど開催し、さまざまな分野の研究者の卵の話を聞きました。話を聞くうちに、勉強と研究は全く違うことに気づかされました。例えば、生物学が得意ではなかった私が、生命科学の話を聞いても難しいだろうと思っていたのですが、同年代の話を聞くととても面白いのです。

その経験を通して、研究の魅力を語ることによって、多くの方にアカデミアの魅力を気づかせることが出来るような場を作ることを思い立ちます。私はそういう場づくり自体が面白いと思えたので、この「場づくり」で新しいことを始めたいと考えました。

なぜ起業したのか

どうせなら、この異分野交流会のような仕組みを、全国的に広げたいと思いました。当時、お金が流れるところほど人が集まり新しい価値が生まれるという動きを感じていました。そこで、自分たちでお金を回せる組織になることが大切という思いから、組織の形態は株式会社にしようと決断しました。

もちろん会社経営については資金も知識も人脈もありません。ですが、この機会を逃したら、もう起業することは絶対にないだろうと直感し、会社のマイルストーンを決めるところから始めました。

TEDはご存知ですか? TEDはアメリカで始まった自分のアイデアをプレゼンテーションで聴衆に広め、面白いと思ってもらうことでネットワークづくりをするような場です。調べてみるとお金が回っていて、参加者が結構な金額を出すブランドだということが分かりました。最初はそのようなもののオンライン版、動画サイトを作ろうと考え、研究者の皆さんに動画撮影を持ち掛けますが、研究で忙しく時間がないと断られてしまいます。どうしたら動画を作ってもらえるのか。友人と議論していると、動画発信によって研究費を集めるというクラウドファンディングのアイデアを思い立ちます。研究アイデアをネット上で語り、そのビジョンに共感した方から、少額の支援をいただくという仕組みです。

研究費の課題を解決するというよりも、多くの方に研究を知ってもらうことを目的に、その手段としてクラウドファンディングを導入する。academistはそのような思想で立ち上がったサービスなのです。

クラウドファンディングの立ち上げ

当時はまったく人脈がなかったので、まず、academistのアイデアに共感してもらえる方に会いに行こうと、100通以上のメールを送りました。なかなか返信がなく、人とつながることが最初のハードルになりました。そんな中でも粛々とサービスを作っていくと、時間が経つにつれて、何人かとはお会いすることができるようになってきます。

最初は、研究者はクラウドファンディングなんて興味ないとか、利益率が低いからやめたほうがいいなどのフィードバックをもらいました。賛同してくれると思っていた大学関係者からは、科研費があるから余計なことをするなとか、寄附者が怪しい人物でないことを証明できるのか、そもそも寄附なんて集まらない、といったコメントをもらいました。こういったネガティブな意見をプラスにかえて、まずサービスを作って寄附が集まることを証明しようと考えました。それから1年ぐらいかけ、勉強しながらウェブサービスを開発し、公開、2014年4月にプレスリリースを出しました。

第1号のプロジェクトは、友人の岡西さんによる深海生物テヅルモヅルの研究プロジェクトでした。なんとか無事に目標を達成することができました。

この時、メディアの取材を受けた私は、「いろいろ言われましたが、正直ピンと来なくて。自分は他人の研究の話を聞くのがすごく面白いし応援したい気持ちになる。きっと同じような人はたくさんいるはずという確信があった。」と話しています。今聞くと「この根拠のない自信はなに?」と思いますが、こういう自信があったからこそ、続けてこられたのだと思います。どれだけ確信をもって面白いと言えるかが、会社を作り継続するうえで大切になるのです。

皆さんもご自身の研究については、「その研究はつまらない」と言われても、「いや面白い!」と自信をもって言い返せるはずです。皆さんが全力投球している研究は誰に何と言われても絶対に面白い。こういった自信をつけ、それをさまざまな言葉で説明できるようにすることが、キャリア形成において非常に重要だと思います。

アカデミストの現状

クラウドファンディングは、目標金額を定め、期間内に支援が集まったら寄附金が手に入るという仕組みです。この仕組みでは、サポーター(寄附者)はクラウドファンディング期間だけしか研究活動を知ることが出来ません。

2018年秋に、月額支援型プロジェクトを始めました。サポーターは毎月研究活動を知ることができて、研究者は毎月支援を受けられるというサービスです。平均月3万円、多くても10万円程度なので、研究活動の発信で研究資金を得るという意味はありますが、支援金額が大きくならないという欠点がありました。そこでacademist Prizeという企画を始めました。これは、我々が企業からスポンサーを募り、得たスポンサー資金を月額支援型の研究者に配分するという仕組みです。これによって、毎月の3万円に加えて、100万円を受け取るチャンスが生まれます。それがモチベーションとなり、宣伝も頑張ることができるようになります。

一方、研究を英語でも発信したいという声があったので、アメリカで一番大きな学術系クラウドファンディングサイト、Experimentの代表に連絡して一緒に英語化を行い、さらに連携して、両方のサイトにプロジェクトを掲載して支援を募集するという動きも進めてきました。Experimentには2012年から注目していて、2014年のacademist公開時など、様々なタイミングで連絡を続けていたところ、2018年に初めて返信をもらい、コラボレーションが実現しました。このようないい意味でのしつこさが大切だと思っています。

今でもそんなことを泥臭くやっています。研究も含めて、自分で何かをやろうと思った時、人を巻き込むという動きは、多分、何をするにしても重要になってくると思います。

これからのアカデミア

過去150年間は経済が成長してきたため、アカデミアは基本的には公的資金だけで成長することができました。しかし経済が成長しなくなると、どうしてもお金は基礎科学に回ってこなくなります。だったら、今の時代に合った新しいアカデミアの維持発展の仕方を考える必要がある、というのが我々の課題です。

研究者と国の間の研究資金のやりとりだけではなく、研究者と企業、研究者と個人、研究者と財団など、より多様なステークホルダーからお金が集まり、人が集まり、情報も流れていく。我々はオープンアカデミアと言っていますが、そういう環境を作ることによって、新しいアカデミアの在り方を作っていきたと考えています。

こういった思想のような話は、いろいろな研究者、大学、企業関係者とディスカッションしながら仕事を進める中で、固まってきたものです。開かれたアカデミアを作るには、まずは我々が開かれた組織になり、さまざまな方を巻き込んで会社を大きくしていくことが必要なのだと、改めて感じています。

コミュニケーションタイム

Q:心理学など、人文社会系の研究の資金を集めるのは難しいですか?

A(柴藤さん)
人文系のプロジェクトは研究テーマを自分事にしやすいため比較的集まりやすい傾向にあり、ほとんどのプロジェクトが成功しています。また、100万円以下という資金で研究できるという特徴も、相性がいいのかもしれません。

Q:研究プロジェクトを支援しているのはどういう方ですか?

A:まずは、研究者に魅力を感じたり期待感を持ったりした方が支援することで33%が集まります。次に、研究テーマ自体のファンが支援することで66%に到達します。残りは、新規ファンからの支援となります。

Q:日本で起業する人は非常に少ないと言われています。その原因はなんでしょうか?

A:出る杭は打たれるという文化的なものが原因としてあると思います。ですが、来年度から国の後押しで、大学発のスタートアップを増やそうという動きが始まります。そうなると今後は、起業後のサポートやコミュニティ構築のための仕掛けが必要になると考えています。

Q:大学院生が自分の研究を用いて起業するとなると、研究成果の帰属(大学なのか、個人なのか)が問題になると思います。どういう考え方をすればよいでしょうか?

A:各大学の起業支援組織の担当者と話されるのが確実だと思います。また、さまざまな起業支援VC(ベンチャーキャピタル)が、相談に乗ってくれると思います。ただ、まだこういったサービスを扱う機関が少ないので、起業が増えたときに、特許問題などにどう対応していくのか、明確ではありません。

Q:クラウドファンディングは資金集めの仕組みというイメージがありますが、academistは市民の皆さんに研究を知ってもらうためのプラットフォームという意味合いが強いのでしょうか?

A:クラウドファンディングは1つのツールであり、資金集めの本質は仲間づくりであると考えています。信頼が先で、結果としてお金が集まるという考え方です。自分以外の専門性を持った方、全くアカデミアと関係のない方、企業の方、さまざまなステークホルダーと繋がる場として、academistを使っていただければと思います。

Q:クラウドファンディングの報酬として、サポーターに「行動」を体験してもらったという事例はありますか?

A:サポーターとの接点は毎回あり、研究活動の報告会を行ったり、サイエンスカフェのようなものを開催したりと、サポーターとの関係構築を報酬として提供しています。今後は、支援いただいた方に研究の被験者のような特別な体験をしてもらうという方法もあると思います。

Q:起業してから現在までに直面した、最も大きかった困難はなんですか?

A:資金調達です。理念があってもお金がない会社は継続できないからです。逆にお金以外の問題に関しては、たとえ1回失敗しても、改善点を見つけアップデートできますし、その結果、さまざまな仕事が進みやすい状態になります。
それ以外で大切なことは、創業者がやり続けられるかどうかです。半年間で諦めるとなると、それまで巻き込んできた方に説明がつきません。継続的な会社にするには、永遠に全力で続けられるというような自信が必要です。

開 催:2022年3月6日
主 催:Ph. Discover
共 催:北海道大学大学院理学研究院/北海道大学数理・データサイエンス教育研究センター(データ関連人材育成プログラム)/北海道大学博士課程物質科学リーディングプログラム

Information

Update

2023.07.10

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