2023年9月22日(金)、北海道大学物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム(以下ALP)6期生の朱瑞傑さん(総合化学院)の修了式が、理学部大会議室にて執り行われました。ALPとは物質科学を中心に分野横断的に学び、社会人として高い能力を養い、学位取得後には学術・研究機関だけではなく民間企業など社会の広い分野で国際的に活躍する人材を育成するための博士課程大学院教育プログラムです。2020年3月に文部科学省の補助金事業としての補助期間は終了しましたが、北大の事業として継続して活動しています。修了証書授与のあと、朱さんがこれまでの活動を振り返って、挨拶を述べ会場から大きな拍手が送られました。続いて、石森浩一郎理学研究院教授(プログラムコーディネーター・副学長)が朱さんにエールの言葉を送りました。
朱瑞傑さんの挨拶
ALPに参加させていただき、プログラムの教育支援に深く感謝しております。ALPが掲げる5つの力、圧倒的専門力、俯瞰力、フロンティア開拓力、国際的実践力、内省的知力はもちろん、日本文化についても多くの知識を得ることができました。すべてが私の人生の宝物となっています。またALPを通して、私は異分野を結合した様々な研究を行うことができました。おかげで、異分野の知識を融合させた研究成果を数多く生み出し、論文として発表することもできました。
私は中国からの留学生です。日中関係が微妙な現在、私に惜しみない援助とサポートをしてくれた北大と日本に心から感謝しています。 もっとAmbitious的に言うならば、将来グローバル・リーダーになることが、リーディングの期待に沿うことだと思います。 そして未来に、私は偏見や政治に左右されない日中間の学術・経済交流の道を保護することを願っています。
石森浩一郎コーディネーターの挨拶
朱君、修了おめでとうございます。プログラムの教職員を代表して、心よりお祝い申し上げます。朱君の4年半という期間はコロナの最中にあって、なかなか大変だったと思います。いろいろ苦労されたと思いますが無事、この日を迎えることができて本当に良かったです。
こういう席なので、何かはなむけの言葉を贈りたく、私なりに先人の言葉を調べてみました。するとある共通点があることに気づきました。それは「変化を恐れずに前に進め」というメッセージです。「変化を恐れず…」というと、変化が何か障壁、越えなければならないもの、のように思うかもしれませんが、そうではなく、せっかくの節目なので、何かを変化させるチャンスと捉えて次に進んでほしい、つまり “Change something to move forward. ”という意味に捉えるものと思います。
これまで北大で研究してきて、それはそれで良い環境だったでしょう。これから先、別の環境に移るとき、周囲の状況も自分の立場も変わります。そういう時こそ、次に何をすべきかを考える大きなチャンスだと思うのです。朱君が、先ほど力強く述べた言葉が印象的でした。世界各国が政治的な課題を抱えている状況で、朱君はそれを打破して、自分の仕事を進めていきたいという決意に心を打たれました。何を変えていかなければいけないのか考え続けてください。スティーブ・ジョブズの言葉に“The people who are crazy enough to think they can change the world are the ones who do.” があります。常識外れの考えだと思っても自信を持って進んでみてください。これまでの4年半のALPでの経験があれば、解決できると思います。朱君の願いが叶うよう、これからの活躍を期待しています。