大学院生によるレポートシリーズ「Ph. Dreams」連載の4回目を担当したのは北海道大学物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム(以下ALP)に2020度採用された7期生の碓井拓哉さん(北海道大学大学院生命科学院)です。ALPとは物質科学を中心に分野横断的に学び、社会人として高い能力を養い、学位取得後には学術・研究機関だけではなく民間企業など社会の広い分野で国際的に活躍する人材を育成するための教育プログラムです。2020年3月に文部科学省の補助金事業としての補助期間は終了しましたが、北大の事業として継続して活動しています。
私はいわゆる外部生で高知大学を卒業し、海を二つ渡って北海道大学の大学院に進学しました。その理由は、現在の研究や指導教員の姚教授に惹かれたことはもちろん、全国でも類を見ない積雪や圧倒的な大自然をもつ北海道に魅了されたからです。
趣味は旅行で、その非日常的な時間がたまらなく好きです。これまでさまざまな土地に行きました。特に印象に残っているのは北インドです。タクシーを利用したら目的地ではない事務所やスラム街に連れていかれたことや、高速道路で堂々と踊っている集団がいて、一緒になって踊る羽目になったことなど、日本ではありえない世界が広がっていました。当時は焦ったり、不安になったりすることもありましたが、今となっては最高の思い出です。
私がALPを履修した理由は自分をより成長させたいと思ったからです。学部時代、バイトやサークルは中途半端でしたが、研究には本気で打ち込み「成長の楽しみ」と「世界の広がり」を経験しました。そして、大好きな「研究」を通じてさらに自分を伸ばしたいと大学院進学を決意しました。北海道大学にALPという大学院生向けのプログラムがあったことは幸運でした。専門性の深化と総合的な人間力を磨くことができるようです。
さて、昨年から新型コロナウイルスによって人々の生活様式が一変しました。授業や学会などがオンライン化されていくことで、その便利さを経験しました。一方で、五感を使った体験の価値を再発見しました。私にとって旅に出かけることと同様に、近所の飲食店にも、そこでしか味わえない雰囲気の「おいしさ」があることに気づきました。早くコロナが収まり、世界中の人々が安心して外出できる日常が戻ることを願っています。
最後に、現在取り組んでいる研究について紹介します。